保育士の配置数に関する見直し
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#保育ニュース
作成日 2015/11/20
更新日 2018/02/07
保育士の配置数に関する見直し
これまでのコラムでも何度かお伝えしてきたように、保育士不足の問題は日本、とくに都市部において深刻です。
この問題に対応するため、厚生労働省は特別措置を平成28年度以降も続ける方針を固めました。
では、政府による特別措置とはどのようなものなのでしょう?
■特別措置の内容
保育士は最低2人配置することが国の基準として定められています。
これを、園児が少ない朝と夕方は保育士を1人に減らす、
または保育士資格を持っていない方とでも保育ができるようにする、
と保育園を運営するうえでの規制を緩和する政策が実施されました。
※無資格でも無認可保育所などでの保育経験がある人であることが条件です)
平成27年度、保育士資格を持った方を確保するのが難しい地域で導入していました。
何故、朝番と遅番に限ってこのような措置がとられたのでしょう。
朝早くと夕方の遅い時間は、育児中の保育士さんが働きにくい時間帯です。
なので、たとえ短時間のパートタイムのお仕事だとしても、どうしても人手が集まりにくくなってしまうんです......。
■特例措置を巡る意見
この措置、導入した地域もあれば、導入を見送った地域もあります。
2つの地域にはどのような考え方の違いがあるのでしょうか?
特例措置を巡る政府の考えを押さえておきましょう。
以下は厚生労働省が集計したアンケート結果の抜粋です。
【特例的取り扱いを認めている理由】
保育士の確保が難しく、現在、勤務している保育士の負担が過剰になるのを防ぐため
【特例的取り扱いを認めていない理由】
朝夕及び延長保育の時間帯は怪我等の発生が多いことから、
最低基準に基づく保育士の配置は必要である
【保育士数の特例の問題点や課題】
朝、夕の時間帯は、児童数は少ないが0歳児から5歳児までの合同保育となるため、
怪我や事故などが起きやすく、日中の時間帯よりむしろ配慮が必要と考えている
【特例的措置を延長するべきとする理由】
必要数の早朝、延長パート保育士の確保ができず、園児の受け入れができなくなってしまうため
【特例的措置を延長すべきでないとする理由】
保育の質の確保の観点から、当面は保育士で対応する予定のため
導入した地域・しなかった地域、それぞれの意見があります。
現在の保育士不足の問題点は、保育の質・保育施設の運営を両立することが難しくなっている点だと言えるのではないでしょうか。
地域限定保育士や保育士試験の回数を増やしたりすることで、保育士資格を持つ方を増やすことをももちろん重要です。
しかし保育施設を運営していくには、保育士資格を持つ・持たないに関わらず、保育をする方の保育の質を上げていくことも視野に入れなければなりません。
当社が実施している保育士研修の詳細はコチラ。
- 参考資料
- ①毎日新聞:認可保育所「保育士最低2人配置」の基準緩和継続の方針
- ②厚生労働省:朝夕の保育士数の特例的取り扱いに係るアンケート調査
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