夏が旬のあの野菜も!保育園における食物アレルギーの対応
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#子どもの心と体
作成日 2017/07/04
更新日 2023/05/09
夏が旬のあの野菜も!保育園における食物アレルギーの対応
保育士に求められるスキルの一つに、アレルギー対応があります。
自分が何を食べられないのかを理解していない子ども、特に乳児については、誤飲・誤食を徹底的に防がなければなりません。
2009年に全国の保育所を対象に実施された調査によると、0~5歳での食物アレルギーの有病率は4.9%という結果になりました。
定員100名の保育園に、5名のアレルギー児が在籍している計算です。食物アレルギー対策は、とても身近なテーマだと言えますね。
当社テンダーラビングケアサービスのとあるベテラン保育士は、「小麦・大豆・鶏卵・乳・鶏肉・豚肉」のアレルギーを持つ子どもを担当したことがあるそうです。
子どもたち全員の飲み物を麦茶からほうじ茶に切り替えるなど、園全体での対応が必要となりました。
こんなに数は多くなくとも、複数のアレルギーを持つ子どもは少なくありません。
今回は、食物アレルギーについておさらいしましょう。
目次 |
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食物アレルギーの基礎知識
食物を摂取などした際に、それに含まれる原因物質(アレルゲン)に対して過剰な免疫反応を示すことがあります。これが食物アレルギーです。
食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになっている食品には、次のものが挙げられます。
鶏卵・乳・小麦・落花生・えび・そば・かに(特定原材料7品目)
いくら・キウイフルーツ・くるみ・大豆・カシューナッツ・バナナ・やまいも・もも・りんご・さば・ごま・鮭・いか・鶏肉・ゼラチン・豚肉・オレンジ・牛肉・あわび・まつたけ(特定原材料に準じるもの20品目)
鶏卵をはじめとする特定原材料7品目は、発症数が多い・症状が重篤になりやすい食品で、特に注意が必要です。
これらの食品の他にも、ナス・トマト・ジャガイモ等のナス科の野菜や、メロン・キュウリなどのウリ科の野菜・果物も、食物アレルギー症状を引き起こすことが確認されています(他にもあります)。
筆者の友人はナス・トマトのアレルギーを持っていて、食べると唇が腫れてしまうそうです。
保育園での対応
入園時には必ず、子どものアレルギーについて確認しています。
食物アレルギーを持つ子どもにはその食品を排除した「除去食」を提供し、食事の際の机や台ふきんを分ける、などの対策を徹底します。
家庭で食べたことがあるものを食べさせるのが基本なので、保育園の給食で「初めての食材」を口にすることはなく、アレルギー症状を突然引き起こすことは滅多にありません。
それでも、血液検査では分からないアレルゲンもあり、例えば食後に子どもが発疹などを起こし「もしかしたら食物アレルギーかな?」と思うこともあるかもしれません。
その時にはすぐ保護者に連絡して症状や今日の献立を伝え、家庭ではどうだったかを確認し、症状によっては医療機関を受診してもらいます。
患部をかきむしったりしないよう、水で洗い流す・冷やすなどの応急処置をとります。
また、万が一重篤なアレルギー症状が出てしまった場合にはエピペンを使用します。
「エピペンは痛そう」とためらっている間にも、子どもはどんどん弱ってしまいます。子どものために、ためらわずに使用しましょう。
いかがでしたか?
このような事態になった場合、対応策を知っているのと知らないのでは大違いです。
当社では、2017年7月25日に、食物アレルギーを含む危機管理について学べる実技研修をおこないます。
子どもたちにとって、保育園が安心して楽しく過ごせる場所であるように、より良い環境づくりに努めていきましょう。
記:池田 彩(2017.7.3)
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参考資料
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(厚生労働省)
アレルギー表示について(消費者庁)
食物アレルギー診療ガイドライン2012ダイジェスト版(日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会)
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