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#保育士の働き方

作成日 2018/12/14

更新日 2023/04/28

パート保育士の働き方って?パートのメリットや仕事内容、勤務条件をチェック


内閣府の発表によると平成27年の共働き世帯は1,114万世帯で、調査結果が出ている昭和55年の614万世帯から右肩上がりに増え続けています。
(参考:「男女共同参画白書(概要版) 平成28年版」

共働き家庭が増え続ける中、各自治体では保育園の増園・増員などの対策をとっていますが、肝心の保育士の数が追いついていません。
保育士不足のため子どもたち一人ひとりに対する丁寧な対応をとりにくい状況の園もあり、保育業界全体にとって人材不足は深刻な問題です。

実際にパートの働き方で勤務する保育士は多く、正規職保育士の不足分や、保育の質を高めるための補助、また早朝や夜間保育など利用者のさまざまなニーズに対応しています。
このように、パート保育士は保育業界にとって必要不可欠な存在なのです。

ニーズが高く保育の現場に欠かせないパート保育士の仕事について、正規職保育士との違いや具体的な仕事内容、待遇などを見ていきましょう。

目次


パート保育士とは?


パート保育士の概念や取り巻く環境はどのようなものなのでしょうか。


パート保育士とは?


保育士は、子どもの食事や排泄・睡眠など、日常生活の手伝いをしながら心身の発達にかかわる大切な仕事です。その保育士には正規職保育士や、契約社員、派遣の他に、柔軟な勤務時間・時給制で働く「パート保育士」という働き方があります。

パート保育士とは、勤務時間によって2種類に分けられます。1日4〜6時間、1ヵ月120時間未満の「短時間パート保育士」と、正規職保育士同様1日8時間以上、1ヵ月120時間以上働く「長時間パート保育士」です。

保育士全体のうちパートで働いている保育士の数は非常に多く、保育園の運営はパート保育士なしには成り立たないと言っても過言ではありません。


高まるパート保育士のニーズ

厚生労働省による発表によれば各園において翌年度の準備に取りかかる12月〜2月の保育士有効求人倍率は平成26年を境に2倍を超え、年々保育士の求人数は増える傾向にあります。
また平成27年発表の「保育士等に関する関係資料」によると、パートを含む非正規職保育士の割合は保育士全体の約45.6%であり、半数近くがパート保育士ということがわかります。
(参考:「第3回 参考資料1 保育士等に関する関係資料」
(参考:厚生労働省資料「保育士の有効求人倍率の推移(全国)」

共働き世帯が増加し、会社員の副業OKなどライフスタイルが多様化する現代では、早朝〜夜遅くまで開園する保育園のニーズも高まっています。
そのため正規職保育士が少ない時間帯をパート保育士で補ったり、保育の質を高めるため通常保育の時間帯にパート保育士を増員して配置したりという工夫が必要です。

保育士の負担軽減をはかるために、パート保育士のニーズは今後も高まっていくと言えるでしょう。



パート保育士の具体的な仕事内容は?

このように保育の現場になくてはならないパート保育士ですが、正規職保育士の仕事内容とはどのような違いがあるのでしょうか。パート保育士の具体的な仕事内容について見ていきましょう。


短時間パート保育士は正規職保育士の補助がメイン


1日あたり4〜6時間程度勤務をする短時間パート社員は、園により多少の違いはありますがおもに次のような仕事に従事します。

◇保育にかかわる準備や後片付け・清掃
◇子どもの食事・排泄など生活の世話
◇集団になじめない子どもの個別対応 など

法人本部などへの報告や書類作成など、事務仕事はあまりありません。正規職保育士の「補助業務」がメインとなることが多いと言えるでしょう。


長時間パート保育士は正規職保育士と同様の仕事をするケースも


1日8時間程度、正規職保育士と同等の時間帯で働く長時間パート保育士は、短時間パート保育士のように正規職員の補助的業務だけでなく、正規職保育士と同じような業務を任されるケースも多くなっています。
場合によってはクラス担任を任されることもあるでしょう。長時間パート保育士の仕事内容は園によって異なる場合が多いので、面接時に確認しておくことが大切です。

従事する仕事内容の例は、次の通りです。

◇保育にかかわる準備や後片付け・清掃
◇子どもの食事・排泄など生活の世話
◇集団になじめない子どもの個別対応
◇正規職員と同様、保育の中心的な業務
◇場合によってはクラス担任を受け持つ  など

正規・パートにかかわらず、子ども達や保護者にとってはパート保育士も大切な先生。責任を持って仕事をすることが求められます。



パート保育士の給与や待遇は?


平均給与は1,000円前後


時給制で働くパート保育士の給与はどれくらいなのでしょうか。またボーナスや休日休暇など、待遇などについて解説していきます。

厚生労働省の平成26年賃金構造基本統計調査資料によると、短時間労働の保育士は平均勤務年数5.4年、平均年齢45.6歳で時給は980円です。共働き率が高く保育士の求人が多い大都市圏では時給が高い傾向にあり、東京都の場合、パート保育士の時給は1,000円〜1,800円前後になっています。
(参考:「第3回 参考資料1 保育士等に関する関係資料」

実際の例を見てみましょう。

場所や形態など 時給
東京都 小規模A園(定員18名) 1,300円
東京都 中規模B園(定員62名) 1,400円
東京都 大規模C園(定員100名) 1,300円
千葉県 中規模D園(定員60名) 1,000円

またリクルートジョブスの調査によると、2017年2月度の首都圏のアルバイト・パート平均時給は1,041円であることから、パート保育士の時給は高めに設定されているといえるでしょう。


ボーナス支給は園によるが、出ないケースが多い


保育士に限らずパート勤務にはボーナスの支給はないことが多くなっています。
しかし、楽天リサーチ(現楽天インサイト)による「保育士に関する調査」によると、パート保育士のボーナス支給額は1回あたり5.3万円で、一部の園ではパート保育士にもボーナスが支給される園も存在しています。


勤務時間や休日休暇の融通はきく?


パート保育士にはさまざまな働き方があります。園によって条件はまちまちですが、たとえばパート保育士の場合、下記のような条件で働くことが可能です。

◇正規職保育士人数が少ない「7:00~9:00」「18:00~20:00」などの2時間のみの勤務
◇週2回や3回の勤務
◇日中の4~6時間程度の勤務
◇週5回、8時間勤務

パート保育士の求人一覧はコチラ

正規職保育士と比較すると待遇などの面では厳しいものの、勤務時間や出勤日数の融通がきくのがパート保育士で働く最大のメリット。自分の条件にあった勤務条件をしっかりと選びましょう。

またパート保育士でも一定要件を満たせば、有給休暇の取得が可能です。
正規職員・パートなど雇用形態にかかわらず、要件(半年以上の継続勤務と勤務予定日の8割以上出勤)を満たした労働者に対して有給休暇を与えることが労働基準法第39条に定められています。
たとえば「週所定労働日数が2日以下・継続勤務半年」の場合では「年間3日の有給休暇取得」が可能です。
(参考:「年次年次有給休暇の付与日数」

● 週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の有給休暇付与日数
※週以外の期間によって労働日数が定められている場合

パート保育士の福利厚生はどうなっているの?


保育士に限らず、パート勤務で気になるのが、社会保障に含まれる社会保険などの福利厚生です。
平成29年から適用範囲が従業員規模500人以下の企業にも拡大された社会保険は、1年以上勤務予定かつ週に20時間以上勤務をすることで、勤務先と交渉・合意の上適用されることになっています。
勤務予定が1年以下や週に20時間以下の勤務については、社会保険の適用はありません。

また、住居手当や各種手当などの福利厚生は、パートの場合ほとんどが適用外です。しかし、園によっては通勤手当や昼食補助(給食)などがパート保育士にも適用されることがあります。

応募の際には福利厚生の適用について、チェックするとよいでしょう。



パート保育士のメリット・デメリット

パート保育士のおもなメリットは勤務形態の融通がききやすいこと、デメリットには正規職員との待遇の差が挙げられますが、それ以外にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。


パート保育士のメリットは?


・育児や家事・介護などと両立しやすい
パート保育士で働く大きなメリットは、勤務日や時間などについて「自分の都合に合わせて働ける」ということ。子どもが幼稚園や学校に行っている間だけ働いたり、また自分の子どもはほかの保育園に預けて数時間だけ働いたりするパート保育士もいます。

また短時間ではなくしっかり働きたい!という人は長時間パート保育士として、フルタイムに近い勤務形態も可能。短時間から長時間、週に1日から毎日働きたい人まで働く日数や時間を自由に選べます。

・残業が少ない
園にもよりますが、パート保育士の場合は園運営の根幹にかかわるような業務や責任を負わされることはあまりなく、また時給制であることから残業は少ないと言えます。ただしパート保育士でも担任を持ったりするような場合は、担任としての職務上残業が発生するケースもあるようです。

・扶養内で働くことができる
共働き家庭の中には、主たる収入の担当は夫(または妻)で、夫(または妻)の扶養内で働きたい、という方もいるでしょう。

2018年からは配偶者控除の上限が引き上げられ、パートの収入に所得税がかからない年収が103万円から150万円までになりました。パート保育士の勤務であれば、配偶者控除を計算してその範囲内で働くことが可能です。
(参考:国税庁「扶養控除」

・ダブルワークも可能
シフトに融通がききやすいため、保育士以外の仕事との両立も可能です。子どもの保育にも役に立つような別の仕事はもちろん、まったく違うジャンルの仕事と両立して自分らしいワークスタイルを楽しむことも可能です。


パート保育士のデメリットは?


・正規職保育士と同様の業務を任されても収入・待遇に差がある
保育士に限らず、時給制のパート勤務で得られる収入は正社員の水準にはおよびません。正規職保育士と同様の働き方をしているパート保育士もおり、正規職保育士との待遇の差に不満を感じることもあるでしょう。

またパート保育士は正規職保育士が得られるような昇給や賞与もないケースがほとんどです。

・有給休暇がとりにくい場合もある
園の雰囲気によるところもありますが、法律で定められている正当な権利とは言え、パートという短時間の働き方をしているために有給休暇をとりにくい場合もあります。

保育園の人材不足を少しでも補うためにパート保育士を雇っているケースも多いので、パート保育士ならではの大変さといえます。有給休暇は職場の状況に応じて申請するようにしましょう。

・職場になじみにくいと感じる人もいる
毎日長時間一緒に勤務する正規職保育士や長時間パート保育士が仲良くなっていく中、短時間勤務のパート保育士の場合、雰囲気になじめないと感じる人もいるようです。
短時間のパート勤務だからと遠慮せず、積極的にほかの保育士や職員と交流をはかってみてはどうでしょうか。

・福利厚生の制限がある
正規職保育士には認められている住宅補助や交通費などの福利厚生は、多くの場合パート保育士には適用されません。ただしこれも保育士に限らず、パート勤務全体について言えることなので、割り切ることが大切です。

また出勤日数・勤務時間によっては社会保険に加入できないこともあるので、社会保険の必要性に応じた勤務時間を意識しておくようにしましょう。



パート保育士の求人の探し方


パート保育士として働きたいと思ったら、どのような点をポイントに求人を見ていけばよいのでしょうか。パート保育士向け求人の探し方のポイントを押さえて、自分にあった求人を見つけましょう。


まずは自分に合った求人を見て、比較しよう


パート保育士でよい求人を見つけたいと思ったら、まずは自分が勤務先に求めるポイントを明確にし、優先順位をつけていきます。おもに次のようなポイントについて検討するとよいでしょう。

◇給与・待遇
◇やりがい、仕事内容
◇通勤のしやすさ
◇園の雰囲気
◇園の方針や保育内容
◇ワークライフバランス
◇人間関係や融通のききやすさ

満足できる勤務先を見つけるためには、転職サイトや求人票に掲載されている情報だけでなく、応募を検討する保育園の公式サイト・ブログ・SNSや口コミなども参考になります。「行事がどのくらいあるのか」「保護者の評判はどうか」など、さまざま角度からの検討をおすすめします。


エージェントや保育士専門のサイトを活用しよう


パート保育士の求人情報探しには、保育の分野専門の求人サイトや転職エージェントを活用するのがおすすめです。

転職エージェントとは求職者への転職支援サービスの一つで、主にカウンセリングをとおして求職者に合う職場を探し、紹介してくれるサービスです。
紹介先から紹介料を受け取るシステムのため、求職者は無料で利用することができます。

転職エージェントに登録することで、一般には公開されてない求人情報を入手することができたり、エージェントが独自に得た情報教えてくれることもあります。また、履歴書などの応募書類の書き方についてアドバイスがもらえます。
パートでも転職エージェントの利用が可能ですので仕事探しをする際はぜひ使ってみましょう。

当サイト「わたしの保育」を運営するテンダーテンダーラビングケアサービスも転職エージェントサービスを提供しています。20年以上福祉関係に特化した転職活動をサポートしてきた実績があり、現在は2,000施設以上の保育施設から保育士の人材紹介の相談をいただいています。
グループで保育施設の運営も行なっているので、保育士が仕事を選ぶポイントや働きやすさなど、保育園の内情についても熟知しています。保育士の転職活動には、保育士分野に強い私たちのサービス「わたしの保育」をぜひご利用ください。なお、現在お仕事をされていない方や、保育の分野のお仕事が未経験の方も、わたしの保育であれば、無料の保育研修をご用意しています。安心してお問い合わせください。
(わたしの保育の詳しいサービス内容についてはコチラ)



ニーズが高く、やりがいのあるパート保育士として働こう


パートと言えども、保育士は子どもたちにとって「先生」であり、やりがいの大きい仕事です。出産・育児などで仕事にブランクがあっても育児経験を活かすことができ、また保育士不足に悩む園が多いことにより、比較的早く社会復帰がしやすいと言えるでしょう。

また、パート保育士の最大のメリットは自分の都合に合わせて働きやすいということ。正規職保育士として働くことが難しい場合でも、パート保育士なら短時間勤務が可能です。
エージェントや保育士採用の専門サイトを使って、パート保育士の仕事をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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