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コラム

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#子どもの心と体

作成日 2019/04/23

更新日 2019/04/23

子どもの社会性が育つ!ごっこ遊びの効果と保育への取り入れ方

ごっこ遊びをする女の子の様子

言葉が出はじめてしばらくすると、「もしもし」「バイバイ」など、日常の動作の模倣が始まります。この小さな模倣が、幼児期のごっこ遊びへ発展していきます。子どもにとってごっこ遊びはただの遊びではなく、社会性をはぐくむための重要なプロセスです。そんなごっこ遊びの発達と保育士の関わり方をまとめました。


目次
〇〇ごっこ、おままごと……ごっこ遊びとは?
ごっこ遊びで子どもが伸びる!社会とつながる第一歩
保育士のごっこ遊びへの関わり方のポイント
どう取り入れる?ごっこ遊びの保育への取り入れ方
多面的な発達を促す、ごっこ遊びを支えよう


〇〇ごっこ、おままごと……ごっこ遊びとは?

ごっこ遊びでなりきる子ども

「ごっこ遊び」とは、子どもが日常生活やお話の中の人や物を模倣したり、なりきったりする遊びのことを指します。「幼児期に必要な遊びは、すべてごっこ遊びの中にある」と言われるくらいに不可欠な、日々の生活の中で繰り返し行なわれる遊びです。日本の保育方針を示す最も重要な資料の一つ、保育所保育指針でも5領域のうちの2つの領域(「人間関係」と「表現」)にごっこ遊びについての記述があり、行政の認識においてもごっこ遊びが発達・発育に大変重要と捉えられていることがうかがわれます。

子どもはまず、ひとりで大人の動作や会話を模倣したり見た光景を別のものに見立てて遊んだりと、「再現遊び」「見立て遊び」というまねっこを通して何かになりきることを身につけていきます。そこから複数人でイメージを共有し状況や場面を作っていく、ごっこ遊びへと発展していくのです。
心理学者のピアジェは、ごっこ遊びを前操作期の象徴機能の発達によるものだと捉えて、「何かを別のものに見立てる遊びだ」と定義しています。象徴機能が発達すると、言語やイメージなど形のないものを扱うことにつながっていくので、ごっこ遊びは子どもの発達においてたいへん重要だと言えます。


ごっこ遊びで子どもが伸びる!社会とつながる第一歩

年齢によって変わる遊び

1歳児を過ぎると、日常生活で自分がする動作や周囲の大人がする動作を再現するようになっていきます。年齢別に確認してみましょう。


【1歳児】積み木でもしもし!再現遊びがスタート

子どもが保育園にある細長いもの(積み木など)を持って耳に当て、「もしもし」というそぶりを始めたら、それは再現遊びのスタートです。絵本の果物を食べるフリをしたり、「ねんね」と床に寝転がったりと、ある場面を「再現」するようになっていくのです。過去の経験を思い出し再現する行為を「延滞模倣」と呼びますが、これがごっこ遊びの入り口です。保育士が一緒に再現遊びを楽しんだり、相づちをうったりして受容を表すと、日常のいろんな場面で再現遊びを楽しむようになります。
日常動作の定着にもつながっていくので、子どもが再現遊びを始めたら、どんどんイメージを膨らませる声かけをしてあげるようにしましょう。


【2歳児】積み木が電車に変身!見立て遊びの発展

2歳になると、積み木を電車に見立ててガタンゴトンと音をつけて走らせたり、人形を赤ちゃんに見立ててトントンと寝かしつけたり、別の何かに見立ててイメージを表現する「見立て遊び」が始まります。自分の体を何かに見立てることもできるようになり、「鳥になってみよう」「電車に変身だ」「今度はアヒルさんだよー」というように、変身して身体を動かす遊びを楽しめるようになります。

保育士は環境の中に見立て遊びが取り入れられる準備をします。たとえば、人形やお世話のグッズを揃えたり、おままごとの食器を準備したり、何かに見立てやすいように大きさの違う箱を用意したりと室内環境を整えます。また、外遊びでも砂場でケーキを作ってみたり、縄を持っていって「水たまりだ!」とみんなで飛び込んだりするなど、見立て遊びの想像の世界を広げる声かけをしていきましょう。


【3歳児】経験がごっこ遊びに!模倣と自信を積み上げる

3歳になると、お友だちとふたり以上で模倣遊びをして遊ぶ、いわゆる「ごっこ遊び」を楽しむ姿が見られます。お店屋さんやお医者さん、おままごとなど、身近な経験が主な題材になる時期です。テレビで見たヒーローやヒロインになりきって遊ぶ子どもも出てくるでしょう。模倣の精度も上がってきて、日常生活で観察の目が養われていることがよくわかります。役割分担から自他関係を明確にして、自分についてよく認識し、自信もついていきます。

一方で、お友だちとはまだまだ「並行遊び」の時期です。同じ空間にいて一緒に遊んでいると当人たちが認識していても、実はそれぞれがひとりで遊んでいます。ごっこ遊びでも、それぞれが思っている遊びを楽しめるように、おもちゃを多めに準備したり、空間を広めにしたりするなど、物の取り合いなどが頻繁に起こりすぎないようにします。エプロンなどの小道具を準備することで、「同じ空間で遊んでいる」という意識が生まれやすく、コミュニケーションにつながっていきます。しだいに関わりあうようになってきたら、保育者が手本となったり声かけをしたりして円滑なコミュニケーションに自然に気づくように促がします。保育士の介入を通して、友だちの存在や、一緒に遊ぶ楽しさに気付き始めます。

また、ごっこ遊びの小道具を保育士と一緒に作って遊ぶことも楽しめるようになってくるのもこの時期です。


【4歳児】友だちと一緒に!イメージを形にしていくごっこ遊び

4歳ごろになると、絵本や歌などから、想像力を働かせてごっこ遊びの世界に取り入れて遊ぶことができるようになります。
また、集団でルールを守って遊ぶ「集団遊び」がこのころの大きなポイントです。言葉も発達し、友だち同士のコミュニケーションも楽しむようになるのに伴い、ごっこ遊びも発展していきます。「もうすぐ雨がふりそうだよ」「傘を持っていったらどう?」「パパ、傘どうぞ」「(傘を持って)いってきまーす!」というように、一人ひとりのイメージを受容しながらごっこ遊びのストーリーが進んで行く様子が見られます。

一方で、「私ママの役がいい!」と、役割に対して不満を漏らすなど、他の子どもとの意見の対立が起こったりしはじめます。自分たちで解決できるように見守りつつ、難しい場合は双方の言い分を聞いて介入するようにします。友だちの思いに気づき始める時期なので、それぞれの行為や思いを代弁してあげることも効果的です。

手先が器用になってくるので、さまざまな用具を使ってごっこ遊びに使うものを作ることができるようになります。保育士はダンボールや大きめのソフトブロック、画用紙など、用途に応じた材料を準備し、いろいろな技法を提案しながらごっこ遊びの世界を広げる手助けをしていきます。共通体験となるよう友だちと一緒に遊び場を設定していくことで、友だちとの遊び場について考えるようになり、空間の感覚や材料の選定の方法などを自然と身につけていきます。


【5歳児】お話の世界が広がる!共通の目的のあるごっこ遊び

友だちとの関わり合いをより楽しむようになり規範意識が芽生える5歳児は、友だちと一緒に共通の目的を持って協働することに喜びを感じるようになってきます。それぞれの役割やテーマを自分たちの話し合いなどで決め、見通しを持って準備を進めるなど、ごっこ遊びがひとつのプロジェクトのように発展していく可能性を秘めています。それまでの経験から、想像力を働かせてストーリーを考えたり相手の反応を予想したりすることもできてきます。日常の中の小さな動きや言動をよく観察して、ごっこ遊びへと誘うといいでしょう。

ごっこ遊びで使う道具は、イメージの豊かさからより大きなものや詳細なものへと変わっていきます。たとえば、ピザ屋さんごっこなら店舗全体の構築からピザの具に至るまで、本物らしさを追求しながら再現したい思いが強くなります。保育士が形にとらわれず、子どもたちの思いを目的に沿って具現化できるように素材や道具を準備をすることで、より遊びが発展していきます。何日にもわたって続くこともあるので、どの場所でやるか、細かいものの片づけはどうするかなども子どもたちと話し合いながら決めるようにします。

ストーリーのある劇遊びに似た遊びを楽しむ姿もあります。発表会などがある場合は、ごっこ遊びの延長線上にあると捉え演目へと活かしていくこともできるでしょう。年下児の面倒を見ようという気持ちが高まっているので、ごっこ遊びに年下児を招いて一緒に遊んだりして、コミュニケーションの様子を見守るのもよいでしょう。


保育士のごっこ遊びへの関わり方のポイント

園児を見守る保育士

ごっこ遊びにおける保育士の仕事の基本は、環境を整えることとコミュニケーションの橋渡しをすることです。子どもたちのイメージを膨らませるために、日々のごっこ遊びの様子を観察しながら次の発展を予測して、保育室の準備をすることで環境づくりをしていきます。年齢別には上記に示したとおりですが、本格的に取り組む場合には、大きめのダンボールや画用紙などの素材の準備はもちろん、遊び込めるスペースの確保なども重要になるでしょう。

また、日常の活動の中ではさみ・のり・絵の具などの使い方を伝えると、ごっこ遊びに使うものづくりへとつながります。さらに、散歩の際にいろいろなお店があることを知らせたりするなど、日々の保育の中で子どもたちに気づきを与えていくことも立派な事前準備になります。

さらに、ごっこ遊びはコミュニケーションが主体の遊びです。必然的に子ども同士のトラブルが生じることがありますが、子どもたちがコミュニケーションについて学ぶチャンスと捉えましょう。普段は見守りつつも、トラブルが生じた場合には冷静に介入することによって、子どもたちは少しずつ円滑なコミュニケーションを学んでいきます。どちらが悪いと決めつけずに双方の話をしっかりと聞いて、子ども同士が納得する糸口を探すことが大切です。
年齢が低い場合には一緒に遊ぶことで保育士がコミュニケーションの手本になることもできます。いずれにせよ、子ども一人ひとりを認める姿勢が、子どもたちを安心させます。


どう取り入れる?ごっこ遊びの保育への取り入れ方

ごっこ遊びについて考える保育士

お伝えしたように、保育所保育指針の中でも5領域を横断して示されるほど重要視されているのがごっこ遊びです。園によっては保育の中心のひとつにごっこ遊びを据えて、年間を通じて取り入れているところもあります。一般的に、まずは日常の自由遊びの中で生まれるごっこ遊びを大切にすることから始まるでしょう。子どもたちの様子を観察し、必要であれば道具を買い足したり、身近なもので作ったりして環境を整えて声かけをすることで、発展を促すことができます。

保育士自身が楽しんで取り組むことも、子どもに楽しさを伝えるきっかけのひとつです。子どもたちのごっこ遊びに飛び込んで、一緒に作り上げていき、少しずつ子どもたちだけの遊びにしていくこともできるでしょう。日常の中に頻繁に見られるごっこ遊びのタネを見つけて、つぶさに観察することをおすすめします。


多面的な発達を促す、ごっこ遊びを支えよう


子どもと笑顔になる女性

子どもの遊びの中でもよく見られるごっこ遊び。想像力だけでなく、言語能力・自己認識・自己発揮・コミュニケーション能力・生活に対する興味関心・他者の気持ちの理解・協力することの楽しさなど、多様な側面を成長させてくれます。子どもの能力が高まるごっこ遊びをぜひ保育の中でも積極的に取り入れ、子どもの「やりたい」気持ちが実現できるようサポートしてあげましょう。

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執筆者 PROFILE
コラムのライター 相原 里紗 Aihara Risa
保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。1歳男児の母。 http://www.noasobicco.com/

参考資料: 保育に役立つ!子どもの発達がわかる本 監修:金子龍太郎、吾田富士子 ナツメ社
幼児教育・保育のアクティブ・ラーニング 3・4・5歳児のごっこ遊び 監修・編著 神長美津子 ひかりのくに
平成29年度3月31日告示 保育所保育指針

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