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コラム

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#日々の保育

作成日 2019/10/11

更新日 2023/08/17

離乳食の進め方 ~保育園での基本の進め方や回数について~

離乳食を食べる赤ちゃんの写真

離乳食は、生きていくために必要な『食事』を身につけるとても重要なステップです。

月齢によって食べられる食材や量が違ったり、子どもの様子を見ながら一人ひとりに合った進め方をしたりと、スムーズにいかず頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
保育園での月齢に応じた離乳食の進め方やおすすめレシピ、注意しておきたいアレルギー食材やアレルギー症状が起きたときの対応方法などをまとめました。

目次

保育園での離乳食の進め方

離乳食の準備の写真

子どもの成長によって保育園での離乳食の進め方は異なります。離乳食は生後いつくらいから始めてどのようなペースで進めていくのでしょうか。

保育園の離乳食はいつから?

保育園で離乳食を始めるのは、生後5か月ごろが多く、判断する目安として、首がしっかりすわってきた、保育士に支えられてお座りができる、食べ物に興味を示している、などが挙げられます。

また、子どもの下唇の上にスプーンを乗せられても舌で押し出すことが少なくなることも離乳食スタートの判断材料になります。

離乳食中のミルクの回数は?

早く大きくなってほしい、成長してほしいという思いから、早く離乳食を進めたくなるかもしれません。しかし、離乳食を進めている間とはいえ、まだまだ子どもはミルクでの栄養が必要です。

無理に食べさせるのではなく、ミルクで栄養をとりながら「離乳食の時間は楽しいもの」と思える雰囲気を作り、子どものペースで離乳食を進めていくようにしましょう。

目安として、授乳は1日200mlを5回ほどにし、離乳食後は欲しがる分だけ与えるようにします。離乳食の量が増えるにつれ、ミルクの量や回数は減らしていくようにしましょう。

【月齢ごとの離乳食】 メニュー例と食事回数

離乳食の写真

月齢によって、適した離乳食のメニューや食事回数は異なります。それぞれの月齢にあった離乳食にぴったりな食材やメニュー、食事中のポイントを見てみましょう。

離乳食 ~5・6か月まで(準備期)~

離乳食は、保育園でも56か月から始めます。家庭で食べたことのある食材のみ離乳食として提供していきますので、この時期には保護者にもそのことを説明しておきましょう。

保護者から準備について聞かれた場合には、エプロンや深いお皿、スプーンの準備を進めておくと、いざ始まる際に慌てずに済むことを伝えておくとよいです。

保育の中では、口や舌を動かす手遊びなどを取り入れ、遊びの中で口の発達を促しておきましょう。

離乳食 ~5・6か月「ごっくん期」(初期)~

離乳食を始める初期である、米粒が残らないように潰して作った10倍粥からスタートします。最初は慣れないため、口からベッと出してしまうこともあります。

様子を見ながら、粥だけでなく玉ねぎや人参、じゃがいも、白身魚なども食べ始めてみましょう。これらの食材も、形が残らないように茹でて潰してから食べさせるような工夫が必要です。

また、飲み込んでいるかの確認もしましょう。「おいしいね」「あーん」「玉ねぎだよ」と、言葉はわかっていないかもしれませんが、話しかけながらコミュニケーションをとることで子どもも楽しく食べ始めることができます。

この時期の主な栄養はミルクや母乳で摂るようにし、離乳食は1日1回を目安にしましょう。また、下痢や嘔吐、便秘などの身体症状に注意しながら進めていきます。

離乳食 ~7・8か月「もぐもぐ期」(中期)~

初期の離乳食にも慣れ、喜んで食べる姿が見られるようになったら次の段階に進む合図です。このころには、柔らかいものであれば舌と顎で潰して食べられます。10倍粥も、少し水分を減らした7倍粥に変更してみましょう。

そして、子どもの様子を見ながら5倍粥、3倍粥と粥の水分を調節していきましょう。うどんを形が残らない直前まで潰したものや、大根、茹でたささみ、かぼちゃで作ったスープなどにも挑戦できるようになります。

この時期は、食事や食卓は楽しいものだと感じられることが大切です。無理に食べさせるのではなく、楽しさを味わえるような工夫をしましょう。

離乳食は1日2回程度を目安とし、ミルクや母乳は1回200ml ~ 160mlを3 ~ 4回ほどに分けて与えるようにしましょう。ミルクの量は徐々に減らしていきます。

離乳食 ~9・10・11か月「かみかみ期」(後期)~

このころになると、歯が少しずつ生えてきます。舌と顎だけでなく、歯でも食べ物をすり潰せるようになるので、粥から柔らかく炊いたご飯に変えていきましょう。

ニンジンやさつまいもなど、柔らかく煮たものを渡せば手で掴んで食べられるようになります。また、りんごやバナナなどの果物も好んで食べるようになります。

手づかみは無理にやめさせるのではなく、子ども自身の食べたいという思いを尊重し、まずは自由に食べさせることが大切です。また、遊び食べも盛んになる時期ですが、手で掴む、感触を確認するなどの発達に必要なことでもあるので、無理に止めさせるのは禁物です。

ただ、いつまでも掴んでいるだけで食べる様子がなかったり、投げたりし始めた場合はすぐに食事を下げるなどメリハリをつけましょう。なお、口にほおばってむせることがないように、注意してみておくことも忘れないようにします。

離乳食は1日2~3回が目安です。ミルクや母乳は1回160ml ~ 100ml を2~3回与えるようにします。これはあくまで目安なので、もっと欲しがる場合は1回の量を調整したり回数を増やしたりして栄養摂取量のバランスをとりましょう。

離乳食 ~1歳~1歳半「ぱくぱく期」(完了食)~

生えてきた歯で食べ物を噛み切ったり、すり潰したりして食べられるものがぐっと増えるこの時期は、固形の食べ物を増やし、メニューのレパートリーもどんどん増やしていきましょう。

食事にはハンバーグやミートボール、煮魚、おやつには蒸しパンや柔らかいクッキーなどを用意し、調味料や砂糖の量に気をつけながら作るのがポイントです。

いつも手づかみで食べていた子どもも、スプーンやフォークに興味を示し始めたら少しずつ使えるようにしていきましょう。最初は難しくて使えなくても大丈夫です。子どもに持たせて保育者が手を添え、食べ方を伝えることによって、だんだんと子ども自身がスプーンやフォークの使い方を覚えていきます。

子ども自身、うまく使えずイライラすることももちろんあります。そんなときは、やる気が起こるような言葉かけをし、スプーンやフォークで食べ物をうまく口に運べたらしっかりと褒めて、達成感を味わえるようにしましょう。

ミルクや母乳は、離乳食をしっかり食べることでお腹が膨らむためだんだんと飲まなくなる子どもいれば、離乳食をしっかり食べたうえでさらに飲む子どももいます。個人差が大きいので周りの子どもと比べるのではなく、一人ひとりのペースを見て保護者の方と相談しながら、卒乳をするのかもう少し飲み続けるのかを進めていきましょう。

離乳食を進めていくうえで重要なのは、子どもの様子を見ながら段階を上げていくことです。食材を少しずつ大きくしたり、しっかりと噛めるようにあえて大きい形で食卓に並べたり、食べる量を見ながら増やしていったりすることで、一人ひとりに合ったスピードで離乳食を進められます。

いずれにしろ、保護者や周りの保育者、栄養士としっかり連携をとって進めましょう。

アレルギー食材への対応方法

アレルギー7品目とはてな赤ちゃんの写真

離乳食を進めていくうえで気をつけたいのがアレルギーです。

アレルギーを持つ子どもが間違って卵や牛乳を摂取してしまうと、命にかかわる大きな事故につながってしまいます。保護者、保育士、栄養士がしっかり連携をとって、アレルギーへの認識強化や情報交換をするだけでなく、万が一の事態でも対応できるように必要な知識を身につけておきましょう。

食材チェック表に記載してもらう

離乳食を始める際は、事前に保護者の方にアレルギーの食材チェック表に記載してもらいます。食材チェック表は、どの食材のアレルギーがあるのか、医師の診断は受けているのか、など誰が見てもわかるように記入するものです。

このチェック表を元に、確実な情報共有をしておきましょう。

また、家庭で食材を試してみて異常がなかったものであれば、保育園でも離乳食として提供するというように、常に一貫した対応をとることも大切です。

子どもをアレルギー食材から守るのは大人の責任です。保育園と保護者でしっかりと連携をとりながらアレルギー事故を未然に防ぎましょう。

※アレルギーが起こりやすいとされる卵や牛乳以外でも、時としてあくの強い野菜や青魚、フルーツでも蕁麻疹(じんましん)が出ることがあります。必ず家庭で試した食材を提供するように注意しましょう。

もしも湿疹などの異常が起きた場合は?

もし、湿疹や蕁麻疹、下痢や嘔吐などのアレルギー疾患と思われる症状が現れた場合は、すぐに保護者に連絡後、病院を受診します。最初は軽い症状でも、急速に悪化する可能性があるため、自己判断での経過観察は危険です。

もちろん、未然に防ぐことが最重要です。しかし、もし何か起こったとしてもすぐに対応できるように、アレルゲンやアレルギー症状への対応方法はしっかりと身につけ、保護者と保育園とですぐに連絡が取れるようにしておきましょう。

離乳食で豊かな『食』のベース作りを

離乳食の写真

離乳食は、子どもの成長段階に欠かせない重要なステップです。離乳食を通して、食べ物の美味しさや、みんなで食事をする楽しさ、自分で食べられる喜び、食事で体が作られる大切さを学んでいくのです。

最初はなかなかうまくいかず、食べて欲しい量を食べてくれない、遊び食べが激しい、母乳やミルクをやめられないなどの悩みも出てくるかもしれません。しかし、あせりは禁物です。そばで見守り、子どもが成長していく姿を保育のプロとして支えていきましょう。


「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービス では、保育士向けに保育の現場で役立つ無料の研修を随時行なっています。適切な保育のための知識や、子どもたちを喜ばせるレパートリーを増やしていただくためのサポートをさせていただければと思いますので、ぜひご参加ください。

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監修者 PROFILE

コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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