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コラム

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#子どもの心と体

作成日 2020/02/06

更新日 2023/08/17

保育園の給食を食べない子どもへの対処法とは?

いやがる子供

みなさんの受け持っているクラスの中に、給食を食べることが苦手な子どもはいませんか?乳幼児期の子どもにとっての食は、健康な体と心をはぐくむためにはとても重要なものです。

保育士としても子どもたちには給食をしっかりと食べてほしいものですよね。

このコラムでは、子どもが保育園で給食を食べない原因を探り、どのように対処すべきかをご紹介していきます。

家庭での対処法もいくつか挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

保育園で給食を食べない原因を考える

食事風景

まずは、子どもが保育園の給食を食べない原因を探ることが重要です。原因を把握することで、子どもに無理な負担を掛けすぎることなく適切な援助ができます。

好き嫌い・食わず嫌い・味付けが苦手など、食べない原因を考える

子どもが給食を食べない原因には、さまざまなことが考えられます。まずは、その日の体調を観察してみましょう。

体調不良が原因の場合は「いつもはこのメニューをよく食べているのに」「いつもは全部食べきるのに」と普段の様子と異なる場合があります。

その一方で、体調不良以外の原因で給食を食べない場合は、見極めが難しいものです。

たとえば、食が細い、好き嫌いが多い、食わず嫌い、味付けが苦手、自宅との環境の違いなどが挙げられます。

給食時の子どもの観察を継続して行なったり、保護者とのやりとりから家庭での様子を聞いたりして、原因を考えます。

保育園の給食を食べない子どもへの対処法について

離乳食を食べない赤ちゃん

ここでは、給食を食べない子どもへの具体的な対処方法をご紹介します。いろいろと試してみることで、その子どもに合った適切な対応が見つかるでしょう。

無理に食べさせようとしない・食べるまで待つ

無理に食べさせることは子どもにとって負担になります。その弊害として、給食の時間が嫌いになる、食べること自体を拒否するようになる、食への興味がなくなるなどが挙げられます。

子どもが自分から「食べてみよう」「食べてみたいな」と思えるようになるまで根気強く待つことが大切です。

そこで、保育士としてできることは、子どもの食への興味を引き出し、楽しい雰囲気の中で食べられるようにすることです。

たとえば、食べ物を扱った絵本や紙芝居を楽しむ、保育士もいっしょに給食を食べるなかでおいしさや楽しさを言葉や表情で伝える、などの工夫ができます。

苦手な食べ物でも少しずつ食べさせてみる

苦手な食べ物がはっきりとしている場合は、スモールステップで少しずつ食べられるように援助していく方法がいいでしょう。

苦手な食べ物を細かくする、好きな食べ物の中に混ぜる、味を変えるなどの方法があります。

食べられたらたくさん褒めてあげる

子どもが少しでも食べることができたら、その場でたくさん褒めることが大切です。

褒めてもらうことで「○○を食べた」ということが子どもにとっての成功体験となり、よいイメージとして残るため、その後の食事指導や家庭での食事にもつなげられるでしょう。

保育園で給食を食べない!家庭でできる対処法について

赤ちゃんとご飯を食べる

食事に関しては保育園だけではなく、家庭の理解や協力が必要です。また家庭でも食事で困っていることが多いため、保護者と連携をとりながら進めていくことが大切です。

ここでは、家庭でのアプローチ方法をご紹介していきます。

家庭や給食で食べられなかったメニューを作ってみる

保護者と登降園時のコミュニケーションやおたよりなどを通して、子どもの様子や実態に合った食の情報を伝えます。

家庭と連携を取るなかで子どもが苦手な食材やメニューの共通理解ができたら、家庭でも食卓に出してもらうように働きかけてみるといいでしょう。

保育園の給食では一人ひとりに合った食材の大きさや味付けに対応しきれない場合があります。

その分、苦手な食材を細かくして混ぜる、味付けを子ども好みにする、などのアプローチを保護者に提案してみるのもひとつの方法です。

食事環境を大切にする

食事環境は各家庭によって異なります。なかには、子どもの生活にはあまり適さない食事環境の家庭もあります。

また、こちらからの提案にすぐに対応してもらえないケースもあるでしょう。

「○○してみてください」とお願いするのではなく、「園では○○すると食べられました」「○○するという方法もありますよ」などと、保護者も自然と試してみたくなる伝え方でアプローチするといいでしょう。

日ごろからいろいろな種類の食べ物を食べさせる

意外と多いのが、食べず嫌いの子どもです。家庭での食事は、意識的に食事のバランスを気にかけていないと偏りがちです。

食べず嫌いの場合、子どもが嫌がっているのはその食材やメニューがまだ知らない味だからです。

日ごろからいろいろな種類のものを食べるように配慮することの重要性を伝えていきましょう。

野菜を実際に育ててみて、命の大切さを伝える

保育園でトマトの栽培を経験した子どもが「自分で育てたトマトなら食べられた」ということがよくあります。

栽培を通して、野菜に関心や親しみをもつことで食べる意欲につながる場合も多くあります。

また、実際に食材を手にする機会が少ない子どもも多いため、旬の食材を見たり触ったりすることも大切にしていきたい経験のひとつです。

大人が手本となって好き嫌いをしない・楽しく食事させる環境づくり

家庭では親の食の好みが食卓のメニューに大きく影響することを保護者にも伝えていくことが大事です。

そして、大人がいろいろな食材やメニューをおいしく食べる姿を見せることが、子どもの「食べてみたい」という気持ちへつながることも知らせていきましょう。

また「食事の時間は楽しみなもの」になるような雰囲気づくりも大切です。

「今日のご飯はなんだろうな」と食事に対してわくわくするような言葉掛けをしたり、いっしょに食事を作ったりすることで、子どもは食事に関心を持ちやすくなります。

子ども一人ひとりに合った対処をする

食事する子供

子どもは一人ひとり性格が違うように、食事に対する興味や関心も異なります。とくに給食を食べない子どもに関しては、原因が多岐に渡ります。

そのため日々の子どもの様子を十分に観察し、保護者や他の保育士と連携をとりながら、その子どもなりの原因を探ることが非常に重要です。

そうするうちに、どのように対処をしていくかの道筋が見えてくるでしょう。

あの手この手と試行錯誤を繰り返し、子どもが給食を食べられるようになったときには、きっと保育士としてのやりがいや喜びを感じられるはずです。

そしてそれが、子どもたちの健康な体と心の育成へとつながっていくことでしょう。


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監修者 PROFILE

コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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