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#保育施設について

作成日 2019/02/08

更新日 2023/04/28

保育士が気になる院内保育とは?メリット・デメリットや給料について解説!

院内保育での様子

あなたは、病院で働く保育士がいることをご存知ですか?病院で行なう保育と言えば、病児保育や病棟保育を想像される方が多いでしょう。今回ご紹介する院内保育所は、病児保育や病棟保育と同じように、病院内や病院に隣接して設置されています。そして、一般の保育所と同じように保育士の資格を活かして働ける職場です。では、院内保育所と、その他の保育施設の違いはどこにあるのでしょうか?

ここでは、院内保育所やそこで働く病院内保育士について、詳しく知りたい方や興味がある方に向けて、仕事内容や施設の特徴、そこで働くメリットやデメリットについて詳しく紹介していきます。院内保育所について具体的にイメージできるように、ほかの保育施設と比較しながらわかりやすく解説します。


目次


「病院で働く保育士」院内保育のお仕事とは?

院内保育の子どもの保護者となる医療従事者

院内保育所の対象児は一般の保育所と同じ、0歳児~5歳児の子どもです。病院で保育をする仕事ではありますが、入院中の子どもを対象とする保育ではありません。院内保育は病院で働く医師や看護師など、医療に従事している保護者の子どもを預かり、保育するお仕事です。

院内保育所には、保護者の勤務の関係で長時間預けられる子どもがいます。家族と長い間離れて過ごすことは、小さい子どもにとって不安を抱きやすいものです。また、夜間に預けられて院内保育所で寝る子どもや昼夜連続して預けられる子どものなかには、ストレスを感じてしまう子どももいるでしょう。
院内保育ではそのような子どもの心のサインを見逃さず、適切な対処をしていく保育の場でもあるのです。


院内保育の特徴を学ぼう!

 

院内保育所の最大の特徴は、医療関係に従事する保護者が利用していることです。近年は医師や看護師などの医療従事者の離職防止や再就業の促進のため、このような施設が増えてきています。総務省が発表している平成26年1月1日現在の院内保育所の設置状況では、「設置時期を把握できた110保育所のうち57保育所が直近10年以内に設置されており、近年、院内保育所の整備が急速に進んでいることがうかがわれる」とあります。
(参照:総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書」

24時間体制で稼働する病院に従事している職員は、交替で勤務をしています。そのため、我が子を一般保育所に預けることが難しい場合があり、院内保育所の多くが病院内や病院に隣接して設置されています。

このように、院内保育所は医療関係従事者確保のための重要な役割を担っています。とくに院内保育所で働く保育士は、病院内や隣接する施設で働くため、医師や看護師などの仕事を近くで見る機会が多いものです。そのため、保護者である医療従事者の「サポートをしている」「支えている」というやりがいを見つけられる職場でもあります。


院内保育とほかの保育園との違いを知ろう!

 

院内保育所が一般の保育所と大きく異なる点は、保護者である医療関係従事者の勤務体制によって利用する子どもの人数が日々変動することです。そのため年齢別のクラスがなく、異年齢保育が多いようです。また、保護者の勤務に合わせて、保育士も夜勤になる可能性があります。

総務省の調査では、院内保育所は平均定員40.0人に対し保育乳幼児数は平均32.3人で、定員に対する充足率は80.8%となっています。一方、厚生労働省の公表では、一般の保育所などの充足率は平成27年度から平成29年度にわたって、93%以上となっています。つまり、一般の保育所などよりも院内保育所は少人数保育になる傾向があるということです。
(参照:総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書」)
(参照:厚生労働省 「保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)」 )

以上のような違いはありますが、保育士としての責務には差がなく、一人ひとりの子どもに対して、発達年齢に応じた適切な保育を行なうことは同じと言えます。しかし、年齢別のクラスがない場合は、一般の保育所のクラス担任が感じるような負担はないでしょう。また、少人数の保育や夜間勤務の可能性があることから、より家庭的な保育が必要になると言えます。


院内保育所で働くことのメリットが知りたい!

 

ここでは、気になる収入面や保育の様子などにおける院内保育のメリットを挙げていきます。


院内保育士の給料は高いの?

院内保育はその特殊性から、運営に関してさまざまな保育サービスを求められます。そのひとつが休日保育です。休日保育とは「日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条第1項に規定する休日、12月29日から翌年1月3日に保育サービスを提供するもの」とされています。
(参照:総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書」)

このような院内保育所ならではの保育サービスに対して、国や都道府県からの補助金があります。この補助金は、院内保育所の運営費の一部を補助するもので、補助対象には「保育士の人件費」も含まれるため、休日保育や夜間保育に手当が支給されるのです。この部分も一般の保育所とは大きく異なる点であり、収入面でのメリットと言えるでしょう。


家庭的な雰囲気の中で保育ができる

子どもたち一人ひとりに個性があるように、保育士もそれぞれの得意なことは異なり、個々の持ち味があります。クラス担任として全体を動かしたりまとめたりする能力に長けた先生もいれば、一人の子どもの特性を見極め、必要な支援をタイミングよく行なうことが得意な先生もいます。また、少人数や異年齢の集団を家庭的な雰囲気の中で保育するのに向いている先生もいます。院内保育所は家庭的な雰囲気を大切にした保育に魅力を感じている方にとって、自分の持ち味を最大限に発揮できる職場であると言えるでしょう。

院内保育所では、少人数保育や異年齢保育が多いため、保育士と子どもの距離感が近く、一般の保育所より家庭的な保育を行なうことができるでしょう。さらにこのような環境での保育は、子どもにとってもメリットがあり、年長児は年少児のお世話を自然とするようになったり、年少児は年長児の姿を見て憧れの気持ちをもつようになったりします。子どもたちの主体的でのびのびとした育ちへとつながる保育が目指せます。


院内保育所で働くことのデメリットが知りたい!

 

院内保育所で働くにあたって、デメリットはあるのでしょうか?事前に知っておくことで、よりスムーズに職場に慣れることができるでしょう。


勤務体制が固定でない

院内保育所は病院の勤務体制に従うことが多いので、24時間体制で稼働している場合があります。総務省の調べでは約6割の保育所が24時間保育を実施しているという結果が出ています。
(参照:総務省「医師等の確保対策に関する行政評価・監視結果報告書」)

24時間保育を行なう場合、保育士も24時間体制でのシフトを組むため、病院内保育士は変則的なシフトになりやすいことを理解しておきましょう。不規則になりがちな勤務体制の中で自分のライフスタイルを確立していく必要があります。


夜間勤務の場合がある

24時間、365日対応している病院では、子どもを預けたいという方のニーズを受け、必然的にその病院の院内保育所も24時間、365日受け入れ体制を整えている場合が多くなります。つまり、一般の保育所にはない、夜間の勤務があることをおさえておきましょう。ただし夜間勤務では、勤務時間の途中に保育士が仮眠や休憩をとる時間がしっかり確保されています。


異年齢保育の場合がある

院内保育では少人数や異年齢で保育を行なうことが多いです。これは、メリットであると感じる方もいれば、デメリットであると感じる方もいるでしょう。とくに異年齢での保育は、保育士として一人ひとりの発達段階に合わせた保育をしたいと思っても、現実的にはなかなか難しい側面もあります。

たとえば、製作活動において1歳児と5歳児では同じ題材でも遊びのねらいが変わってきますが、年齢別クラスでない場合は個々の対応が難しくなります。ひとつの集団のなかでも子どもの発達年齢に応じた遊びや活動ができるよう、院内保育所で働く保育士は柔軟な発想や工夫を積極的に取り入れる必要があるのです。


施設の設備が充実さに欠ける場合がある

院内保育所では、子どもが過ごす保育室が狭かったり、園庭がなかったりする場合があります。もちろん、院内保育所も一般の保育所と同じように、「1人当たりの面積は、 乳児室 1.65 ㎡以上、保育室 1.98 ㎡以上であること」と規定されています。しかし、既存の病院施設を使用する院内保育所の場合は、十分な広さの保育室や子どもがのびのびと走り回れるような園庭が確保できないことがあります。よって保育士は、子どもが身体を十分に動かすことのできるような保育内容の計画が必要になってきます。
(参照:厚生労働省 「事業所内保育施設設置・運営等支援助成金 のご案内」 )


スキルアップがしにくい場合がある

最後に、保育士としてのスキルアップのしにくさが挙げられます。
院内保育所はほかの一般的な保育所に比べて子どもの利用数が少ないことから、そこで働く保育士のすう人数も少ない傾向にあります。また、院内保育所を利用する子どもの人数が日々変動することから、一般の保育所で行なわれているような行事がなかったり、小規模で行なわれたりする場合が多いようです。そのため、幅広い保育方法や保育園における行事のあり方などが学びにくく、スキルアップが難しくなる可能性があります。


院内保育所で働くために必要な資格や具体的な求人

 

高齢化が進む日本では医療従事者が増える傾向にあり、それにともない、院内保育所の需要もいっそう高まることが予想されています。つまり、院内保育所で働く保育士の求人もこれまで以上に多くなると言えるでしょう。
「院内保育所が気になる!」「実際に働いてみたい!」と思われている方に向けて、求人を探す際に間違えやすいふたつの施設について、院内保育所との違いとともに解説します。また、必要な資格や求人の情報の紹介もしていきます。


求人を見る時の注意点!病児保育と病棟保育

求人を探す際に覚えておくべき点は、病院で働く保育士の仕事が院内保育所以外にもあることです。ここでは、間違えやすいふたつの施設と院内保育を混同しないように、具体的な違いをお知らせします。

● 病児保育
保護者から「病気をしているので保育所はお休みしますが、病児保育に預けます」という連絡を受けたことのある保育士の方もいるはずです。一般の保育所で働いている方なら、院内保育よりも、病児保育のほうが聞きなれているかもしれませんね。病児保育は、病気の子どもやその回復期にある子どもが対象です。一般の保育所のような集団での保育がまだできない状態の子どもを預かり、保育を行なう場です。

● 病棟保育
病棟保育です。病棟保育では、病気やけがで入院をしている子どもの保育をします。0 ~ 18歳が対象年齢で、子ども一人ひとりの病状や症状に合わせた保育を行ないます。集団で保育ができる子どももいれば、個別の保育を必要とする子どももいます。病棟保育では、子どもの病気やけがの実態把握が必要不可欠なので、看護師や保護者との連携が重要です。医療行為はしませんが、ある程度の専門的な知識を身につける必要がある職場です。

院内保育と同じように、病児保育や病棟保育にも保育士の配置が必要とされています。しかし、いずれも病院内に設置されているため混同されやすい施設です。それぞれの特徴を事前に知っておき、求人を見て間違って応募することのないように注意しましょう。


どんな資格がいるの?

院内保育所で働く保育士は、病院内または病院に隣接する施設で勤務をしますが、保育士以外の資格は必要ありません。一般の保育所と同じように保育士資格があれば勤務可能です。


求人例を見てみよう!

院内保育所で働く保育士は正社員だけでなく、パートや派遣社員などの求人もありますので、より自分に合った働き方を選ぶことができますね。当サイト「わたしの保育」でも病院内保育の求人をご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

● わたしの保育 保育士 院内保育求人一覧

院内保育は一般の保育所に比べて、求人情報が少ない傾向にあります。気になる求人がある場合は、早めの登録や応募がおすすめです。


保育士として働く選択肢を広げよう!

 

保育士は一般的な保育所だけでなく、現代の社会では幅広く必要とされている職業です。とくに院内保育は、医療従事者である保護者のニーズも高く、非常にやりがいのある職場です。また、家庭的でゆったりとした雰囲気の中で子どもとかかわりたい方には最適な職場と言えるでしょう。

自分の得意とすることを最大限に活かせる職場で働くことは、保育士という仕事の充実感ややりがいにつながります。当サイト「わたしの保育」は、みなさんが自分の目指すべき保育ができる職場と出会えるよう応援しています。今回ご紹介した院内保育も、選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。

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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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