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#日々の保育

作成日 2008/11/16

更新日 2019/02/15

保育現場におけるモンスターペアレントとは?事例と対処法を知ろう!

モンスターペアレントのイメージ

保育士が抱える仕事は多岐に渡ります。純粋に子どもの保育を行なったり、よりよい保育のための計画をしたりするだけにとどまりません。保育士の仕事のなかには、保護者とのかかわりや支援も含まれるのです。家庭のあり方が多様化している今、保護者とのかかわり方に戸惑いを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、保護者支援のなかでも慎重な対応が必要とされている「モンスターペアレント」について知識を深めましょう。具体的なモンスターペアレントの事例や対処法についてもふれていきます。さらに、保育士一人ひとりができることから、園全体として心がけるべきことも挙げています。
これらを知ることで、モンスターペアレントを生まない保育園を目指していきましょう。


目次
モンスターペアレントとは?
モンスターペアレントの事例と特徴
モンスターペアレントが増加している背景
モンスターペアレントの対処法
モンスターペアレントを生まない保育園を目指そう
対策を十分にとっておこう


モンスターペアレントとは?

モンスターペアレントの夫婦イメージ

モンスターペアレントとはどのような保護者のことを指すのかご存知ですか?ここでは、モンスターペアレントの定義を確認しましょう。

モンスターペアレントの定義は「保育園や学校に対して、自己中心的で理不尽な要求を繰り返す親のこと」とされています。モンスターペアレントという呼び名がメディアに取り上げられる機会が増え、社会的にも認知されるようになってきました。
日々、子どもだけでなくその保護者ともかかわることの多い保育士は、さまざまな考えの保護者の対応や支援をしていく必要があります。保育士にとってモンスターペアレントは、身近な問題でもあるのです。


モンスターペアレントの事例と特徴

モンスターペアレントについて確認する女性

ここでは、保育園や学校の現場において実際にあったクレームの事例を挙げていきます。モンスターペアレントのクレームにはいくつかの特徴があるので、その特徴別に事例を照らし合わせていきましょう。


自己中心的なクレーム

自己中心的な性格の保護者は、子どもを自分の所有物であるかのように考え、我が子に対し過保護や過干渉になりがちです。集団生活の場である保育園でも、我が子中心に考えてしまいます。

クレームの事例
・子どもや家庭の都合(体調不良や旅行など)があるので、行事の日を変更して!
・行事(運動会や発表会など)や写真撮影では、我が子がよく見える場所にして!
・遠足は家族で行ったことのないところにして!
・クラス替えは○○さんと同じ(違う)クラスにして! など

園に依存的なクレーム

このタイプのクレームは、本来家庭ですべきことを園に要求してくるものです。

クレームの事例
・時間どおりの登園ができないので、家に子どもを迎えに来て!
・忙しいので、朝食や夕食を園で食べさせて!
・給食の食材は必ず有機栽培のものにして!
・保育園で汚した服や靴は保育園で洗って!  など

義務を無視するクレーム

集団生活を行なう保育園では、ある程度のルールが設けられています。このタイプのクレームはそのルールを無視するものです。

クレームの事例
・保育園で登園時の準備をしていたら会社に遅れた。賠償して!
・忙しいのに、子どもの体調が悪いからといって連絡をしてくるな!
・子どもの給食代がかかるのはおかしい!
・給食代は払えない!我が子は給食を食べなくてもいいから!  など

モンスターペアレントが増加している背景

 

なぜ保護者はモンスターペアレントになってしまうのでしょうか。その背景や原因を知り、保護者への対応や保育園の運営に活かしましょう。


モンスターペアレントが生まれる背景

ここでは、モンスターペアレントが生まれてしまう社会的背景を3つ挙げていきます。

( 1 )親の孤立化

近年は核家族が増加したことにより、子育ての悩みや不安を話せる人が身近にいないという傾向にあります。周りとのコミュニケーションを取らずに、子育てをせざるを得ない環境にいる親は孤立しやすくなります。

( 2 )メディアの拡大

テレビやインターネットの普及にともない、親がさまざまな情報を知ることができるようになりました。そのため、一部の間違った考えや情報を鵜呑みにしたり、情報に左右されて判断を誤ったりする親がいます。

( 3 )園業務の増加

保育園と幼稚園のこども園化や特別支援教育の広がりなど、保育・教育現場ではさまざまな変化が起こり、園の業務が多様化してきています。それにともない、子どもや保護者へのきめ細かい対応や配慮が追いつかないケースが増えているという一面があります。


モンスターペアレントになる原因

さまざまな社会的背景の中で、保護者がなぜモンスターペアレントになってしまうのでしょうか。その原因を追究していきましょう。ここでは、原因を大きく4つに分けて紹介していきます。

( 1 )過保護や過干渉

親の孤立化を受けて、「自分一人で子どもを立派に育てなければならない」という思いから過保護や過干渉になってしまう親がいます。

( 2 )ネグレクト(育児放棄)

孤立することで、子育ての方法がわからない親や、悩みや不安を吐き出せない親がストレスを抱えてしまうことがあるでしょう。このような親のなかには、自分のストレス解消だけに目が向いてしまい、子どもの世話を放棄する「ネグレクト」の状態になってしまう人がいます。ネグレクトになると、家庭で親がすべきことを園に押し付けてくることがあります。

( 3 )保育園や学校と保護者の立場の変化

最近の保育園や学校は、保護者と立場が対等である傾向にあります。そこへ、これらの施設の不祥事やいじめの問題などをメディアが取り上げることで、保護者の不信感につながる場合があります。これが起因となり、保育園や学校よりも立場が上だと認識する保護者が出てくるようになったのです。

( 4 )コミュニケーションの不足

これまでに紹介してきた核家族化やメディア拡大による孤立から、近年は子どもだけでなく、大人のコミュニケーション能力の低下も見られるようになってきました。本来ならば、保育士と保護者は子どもの成長のために連携を取るはずですが、その間のコミュニケーションが不足し、ちょっとした行き違いから問題が大きく複雑になるケースもあるようです。


モンスターペアレントの対処法

 

実際にあなたの保育園やクラスの保護者がモンスターペアレントになってしまった場合、どのような対処をすべきなのでしょうか?6つのポイントに分けて、具体的な対処法を紹介します。


話を聞く際にうかつに反論しない

まずは、保護者の話をしっかりと聞くことが大切です。もちろん、ただ聞くだけではなく、相手の思いや本心をくみ取り、受け入れる姿勢で話を聞きましょう。もし、保護者が事実と異なることを言ったとしても、うかつに反論をしないようにしましょう。感情が高ぶっている相手に反論をしてしまうと、相手が逆上してしまう恐れがあります。
まず相手の話を聞く姿勢を示せば、それだけでも相手を落ち着かせる効果があります。話がさらにこじれてしまわないよう、慎重に話を聞きましょう。


対処は複数人で臨もう

基本的に、保護者の苦情には複数人で対処するようにしましょう。相手が攻撃的な態度をとったとしても、複数人いることで精神的な落ち着きが生まれ、より冷静な対応ができます。また、話の聞き間違いや記憶違いなどを防ぐことにもつながります。さらに、対応の役割分担(聞き役・記録係・見守り役など)を決めておくことで、スムーズな話し合いができます。


録音や筆記などで記録をとる

苦情を言う保護者との話し合いの際には、必ず記録をとりましょう。話し合った内容はもちろん、日時や場所、同席者について記録します。話が複雑になり、万が一訴えられるような事態になった場合には、証拠として使用できます。また、ICレコーダーやボイスレコーダーなどの録音機器を使用することも、記録をとる手段として有効的です。
注意すべき点は、話し合いの前に記録することへの了承を得ることです。記録していることを伝えずに話し合いが行なわれ、その途中で相手が記録に気づいた場合、さらに逆上しかねないからです。また記録されているという認識は、高ぶっている気持ちを静めやすくします。


対応できることとできないことの明確化を図る

話し合いの進め方のポイントとして、「対応できること」と「対応できないこと」を明確にすることが重要です。あなた自身が対応できるかどうかではなく、保育園としてどうか、と考えるとわかりやすいでしょう。
保育園はすべての子どもや家庭に公平に接する施設です。早く事態を落ち着かせるために、理不尽な保護者の要求を通してしまうと、園のルールが崩れてしまいます。それにより、ほかの保護者の混乱を招く恐れがあることも覚えておきましょう。


謝罪の範囲を限定する

保護者からの要望や苦情のなかには、園側に非があり改善が必要な場合もあります。そのような場合は誠意をもって謝罪する必要があります。しかし、モンスターペアレントのなかには、どんなクレームに対しても園は謝罪して受け入れる、と勘違いをする保護者もいるので、謝罪の範囲を明らかにすることが重要です。「~の件に関しては、申し訳ございませんでした」と事柄を限定することが効果的です。


一人で悩まず周囲に相談する

これまで述べてきた対処法を保育士一人でこなそうとすると、精神的にもまいってしまいます。子どもを保育するという本来の仕事に支障をきたす可能性もあります。保護者からの苦情は、保育の内容・質に関することや子どもへのかかわり方に関することなどもあるでしょう。それゆえ、自分自身を批判されていると感じ、先輩や園長に話しづらいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どんなに些細な問題であっても、園全体の問題であると捉え、先輩や園長に必ず相談しましょう。そうすることで、保護者の不満や不信感を初期で収めることができ、大きな事態になることを防げます。そして、あなた自身を守ることへもつながるのです。


モンスターペアレントを生まない保育園を目指そう

 

保護者がモンスターペアレントになってしまう前に、保育園としてできる対策はないのでしょうか?ここでは、モンスターペアレントを生まないためのポイントを3つお伝えします。


保育園として信頼してもらえることを意識する

保育園や学校の体罰やいじめの隠ぺいなどのニュースから、自分の子どもが通う園でそのようなことはないか、と敏感になっている保護者もいるでしょう。保護者が不信感を持たないために、子どもに対する公平な保育や個々の人権尊重など、保育士としての基本的な姿勢を常に意識することが大切です。

また、さまざまな問題において職員間での共通理解を深め、一貫した保育体制をつくることも非常に重要です。さらに、園を支援する保護者や地域社会との連携を大切にし、風通しをよくすることも必要な取り組みのひとつです。園でなにか問題が起きたとしても、共に考え、支援を受けられることもあります。


各家庭の教育方針を尊重すること

保育園にはさまざまな家庭環境の子どもが通っており、さまざまな教育方針の保護者がいるという当たり前のことを忘れずにいたいものです。保育園の教育方針がすべて正しいという考えや、子どもの課題は家庭の教育(しつけ)が悪いからだという考えをもっていると、保護者とのよい関係は築きにくいでしょう。子どもの生活の基盤は家庭にあることから、家庭それぞれの環境や考え方を保育園が十分に尊重することが重要です。


保護者とコミュニケーションをしっかりととること

最後に、コミュニケーションの大切さを挙げていきます。コミュケーションをとることは、不満や不信感を募らせた保護者がモンスターペアレントになることを防ぐことにもつながります。たとえば保育士からの日々の声かけや、連絡帳を通した丁寧なかかわりがあることで、保護者との信頼関係を築くことが可能です。

このように、日頃からコミュニケーションをしっかりとることで、保護者は「ちょっと気になる」「相談したい」という思いを保育士に出しやすく、保育士側も気づきやすくなります。保育士に対して保護者が思いを発信しやすい環境では、不満や不信感をもちにくいものです。その結果として、モンスターペアレントを生まない保育園づくりへとつながるでしょう。
さらに保育園の取り組みとして、定期的に保護者の思いや考えを聞くことや、保育の様子を便りや懇談などを通して伝えることもひとつの方法です。ぜひ試してみてください。


対策を十分にとっておこう

 

モンスターペアレントの存在は、保育士にとってかなりの精神力や時間を費やします。また、そのような親の姿を見続けて成長した子どもは「何か気に障ることがあったら文句を言えばいい」と考える大人になる可能性もあります。社会的背景をかんがみても、残念ながらモンスターペアレントはあなたの周りにもいるかもしれませんし、今後出会う可能性も十分にあります。子どもの健全な成長のためにも、自分を守るためにも対策を十分に行ないましょう。

「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスは、20年以上保育士の方の就労支援サービスを行なってまいりました。保育士の皆さまのスキルアップを応援すべく、保育士の方に無料で受講していただける研修も毎月開催しています。自身の保育を見直す機会にもなりますので、ぜひご参加ください。詳細は、保育研修ページよりご覧いただけます。

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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて、園長経験6年、保育経験延べ30年のベテラン保育士。
当社で園長職を勤めたのち、当社運営の保育施設の総合管理を担当。現在は研修など保育士の人材育成に注力している。

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