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コラム

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#子どもの心と体

作成日 2022/12/21

更新日 2023/08/17

0歳児の発達発育って?0歳児保育のポイント

笑顔になる0歳児赤ちゃん
身体的にも、精神的にも著しい発達を見せる0歳児。発達によっておもちゃや環境をどんどん変えて、成長する子どもたちの好奇心を満たしていきたいですね。0歳児の保育をする上で気をつけたいこと、注意点などをまとめました。

目次


0歳児の赤ちゃんの発達・発育とかかわり方のポイント

赤ちゃんを抱っこする女性

0歳の赤ちゃんの発達・発育は著しく、毎日できることが増えていくのを見ることができるのはとても嬉しいことです。まずは月齢ごとにどのような変化があるのかを把握しておいてくださいね。なお、赤ちゃんの発達は個人差がとても大きいです。発達・発育の順序や日々の様子を見守ることを大切にしましょう。


おおむね2か月

発達・発育のようす

・手足の動きが活発になり、「あー」「うー」といったおしゃべりが増える
・顔を少し動かしておもちゃを目で追いかけたり、音やおもちゃに嬉しそうに反応したりする
・満腹になる感覚がわかるようになる

● かかわり方のポイント
一般的に、保育園で預かるのは生後57日以降なので、保育園にいる子どもの最年少が2か月です。
気候の良い時に日光浴などをすることで、生活のリズムをつけることにもつなげることができます。まだ首が安定していない子が多いですが、10 ~ 15分の短い時間外に出ることはできるので、外気浴を検討してもよいでしょう。また、視力が未発達なので、顔を近づけてあやしてあげると喜びます。


おおむね3か月

発達・発育のようす

・人の顔を見ると誰にでも笑いかけ、全身で喜びを表現してくれる(社会的微笑のピーク)
・少しずつ身近な大人とそうでない人の区別がつき始める
・生活のリズムが整い首がすわり始める
・握力がつき始め、おもちゃを少しの時間握って遊ぶことができるようになる
・体重が出生時の2倍程度になる

● かかわり方のポイント
赤ちゃんをしっかり見守れるタイミングでうつ伏せにしてあげると、頭をあげる練習ができます。いろんなおもちゃを楽しめるようになってくるので、軽くて握りやすいおもちゃを準備しましょう。色のはっきりしたカラフルな絵本にも反応します。笑い返すことで、コミュニケーションを学んでいきます。ぐずったときの抱っこだけでなく、ふれあい遊びなどを取り入れて、スキンシップも積極的にしてあげましょう。


おおむね4か月

発達・発育のようす

・多くの子の首がすわり、身の回りのものをキョロキョロと見るようになる
・感情の表出がはっきりしてくるため、大きな声で泣いて訴えたりするようになる
・おもちゃやタオルなどを手のひら全体で握ったり、口に持っていって舐めたりして、感触を確かめるようになる

● かかわり方のポイント
首が座って安定するので、お世話がぐっと楽になってきます。おんぶができるようになるのもこの頃。うつ伏せの時間が増える子もいますが、顔がマットなどで覆われていないかなど、しっかり見守るようにします。また、何にでも手を伸ばすので、周囲に誤飲の可能性のあるものがないかしっかり確認をしましょう。いろいろな素材のおもちゃを用意すると、感触を楽しみます。

外に出られる時間も少し長くなってきて、30分程度は出ることができます。玄関先、ベランダやテラスなど、身近な場所で外気浴をすると良いでしょう。昼夜のリズムをしっかりつけてあげたい時期なので、日中は活動的に遊んであげましょう。


おおむね5か月

発達・発育のようす

・運動機能の発達が著しく、寝返りができるようになったり興味のあるおもちゃに手を伸ばしたりし始める
・人が食べている姿を見てもぐもぐしたり、じっと見つめたりと、食べ物にも興味を持ち始める
・離乳食を始める家庭もある
・昼寝のリズムが整い始めることもある

● かかわり方のポイント
寝返りができるようになると、動く範囲がそれまでよりぐんと広がります。思わぬ転落事故などに気をつけましょう。寝返り練習中の子には、興味のあるおもちゃを周りに置いて気をひいたり、やろうとしているときにちょっとサポートしたりするとコツがつかめてきます。
また、子どもの様子を見て、離乳食を始めるかどうか検討する時期です。離乳食は、保護者と相談しながら進めます。ちょっとした予測ができるようになるので、「いないいないばあ」などをしてあげて。


おおむね6か月

発達・発育のようす

・左右どちらにも寝返りできる子が増え、支えがあればお座りができる子も出てくる
・離乳食が進んで2回食になる子も出てくる
・赤ちゃんを感染症から守ってくれていた母体由来の免疫が切れはじめ、風邪やそのほかの感染症にかかりやすくなる
・自分に近い人とほかの人との区別がしっかりとつき、信頼できる大人を理解できるようになる
・人見知りが始まることもある
・自己主張が強くなり甘え泣きをするなど、感情が豊かになり、夜泣きがある子もいる

● かかわり方のポイント
お座りをするときは周囲に危険なものがないかしっかり確認をしましょう。体調管理が難しくなってきます。毎日の子どもの様子を、全身を確認して見るようにしましょう。感情を伝えてくれる機会が増えるので、受け止めて優しく声をかけて聞いてあげましょう。


おおむね7か月

発達・発育のようす

・お座りが上手になり、ずりばいを始める子も
・手先が器用になってきて、座位で両手を使って遊べるようになる
・離乳食が進んで硬さのあるものを食べられるようになってくるが、ほとんどの栄養は母乳やミルクから摂っている状態
・なかには歯が生えてくる子もいる

● かかわり方のポイント
社会性が育つので、散歩中に人見知りをする子も出てきます。見守ってあげましょう。音の鳴る手作りおもちゃなどを準備すると、喜んで遊んでくれます。また、音楽に乗って楽しめるようになるので、わらべうたや手遊び歌を積極的に歌ってあげてくださいね。


おおむね8か月

発達・発育のようす

・お座りが安定し、ハイハイをする子が増えてくる
・隠したおもちゃを見つけられるなど、直前に起きたことを記憶できるようになる
・離乳食を食べる量も増えてきて、スプーンを自分で持ちたがるなど意欲が出てくる反面、好き嫌いが出てくる
・手を伸ばして抱っこをせがむなど気持ちを行動で表すようになる

● かかわり方のポイント
お座りができるようになると、手の届く高さも出てきたり、ハイハイが上手になって動き回る範囲が広くなるので、周囲に危険なものがないか十分に確認をしましょう。動きが活発になるので、動きやすい服装を準備するように声かけをするなど、保護者と連携をとります。
また、食事の好き嫌いがあっても無理に食べさせるのではなく、歌って気持ち盛り上げたり、一緒に食べる真似をして「おいしいね」と伝えたりするなど、まずは食べるのが楽しいという気持ちを育むことを心がけるとよいです。コップ飲みの練習も少しずつできます。


おおむね9か月

発達・発育のようす

・ハイハイがスムーズになり、つかまり立ちを始める子も出てくる
・感情の起伏が激しくなり、気持ちの面でも成長が見られる
・いたずらをする、後追いが始まる子もいる
・大人が見守っていれば、一人遊びができるようになる
・離乳食が3回食に移行する子も増えてくる

● かかわり方のポイント
つかまり立ちが始まると、手の届く高さがさらに広がります。落下すると危ないものなどを高いところに置かないようにしましょう。食事に集中できないことが増えてくる時期でもあるので、歌や声かけで気分を盛り上げて食事が楽しい時間になるように心がけるとよいです。後追いや感情の波が大きいときには、不安な気持ちを落ち着かせる声かけを。
赤ちゃんの自我が出てくるとそれまでの対応ではうまくいかないことが増えてきます。保育士自身もゆとりを持って対応できるよう、一人ひとりの発達・発育に合わせた保育についてほかの保育士と日々話し合うようにしましょう。


おおむね10か月

発達・発育のようす

・つかまり立ちが上手になり、つたい歩きができる子も出てくる
・記憶力や理解力が発達し、真似をしたりするようになる
・大人が言っていることを理解し、顔色をうかがったりもする

● かかわり方のポイント
規則正しい生活を作るために、日中は全身を使って遊ぶようにします。シールを剥がす遊びや、小さい穴に落とす遊びなど、手先を使う遊びを取り入れましょう。また、手づかみ食べが始まるのもこの時期。保育園だけでなく家庭でも実践できるよう、保護者に手づかみ食べの声かけをしていきます。子どもの食べる意欲を大切にしましょう。


おおむね11か月

発達・発育のようす

・つかまり立ち、つたい歩きが活発になり、初めての一歩を踏み出す子も出てくる
・体力がついてきて、お昼寝の時間が1回にまとまる子も
・離乳食は食べムラが増えてきたり遊び食べが出てきたりする
・食事をしっかり摂れる場合にはミルクの量が少しずつ減ってくる子が出てくる
・絵本の読み聞かせを喜ぶ
・指差しや「あー!」「まんまー」などの喃語を通して意思疎通を図るなど簡単なコミュニケーションを楽しめる

● かかわり方のポイント
動きがより一層多様になってくるので、保育室の中に思わぬ危険を発見することも。子どもたちの日々の様子を見ながら保育環境を見直していきましょう。遊びの面では、応答的な遊びを楽しみ満足感を得るようになります。「あっち!」「とって!」という要求に応え、温かく見守ることが、子どもの安心感につながります。また、子どもの思いを言葉にして繰り返すことが、言葉の発達を促します。

※発育・発達には個人差があります。心配な場合には園内で連携し、保護者対応も含めて相談、そして医師や保健師、行政など外部と連携して見守っていくことが大切です。

※参考文献:
ひよこクラブ2009 発達・発育の目安&ママの関わり方がわかる本
はじめての子育て 育ちのきほん 0歳から6歳 神田英雄 ひとなる書房
いちばんためになる はじめての育児 成美堂出版


どうする?0歳児の赤ちゃんとのコミュニケーション

赤ちゃんとのコミュニケーション

「愛情豊かに、応答的に」対応することが求められる0歳児の保育

保育所保育指針内の「乳児保育に関わるねらい及び内容」の(1)基本事項アでは、「特定の大人との応答的な関わりを通じて、情緒的な絆が形成されるといった特徴がある。これらの発達の特徴を踏まえて、乳児保育は、愛情豊かに、応答的に行われることがとくに必要である」と示されています。保育士は、親や祖父母など子どもを取り巻く「特定の大人」の一人であり、その役割はとても重要です。


生理的欲求を満たすことも一つのコミュニケーション

とくに0歳児の保育においては、食事、睡眠、排泄など生理的欲求に対応する時間が多くなります。その一つひとつを満たしていくことが、コミュニケーションの礎をつくっていきます。「ごはんおいしいね」「嬉しいね」「おむつ変えたらすっきり気持ちいいね」など、声かけをしてあげてください。また、子どもの小さなサインを見逃さずに対応することも、コミュニケーションにつながります。笑ったら笑い返す、喃語を繰り返すなど、子どもからの働きかけを受け止めて関わってあげましょう。

そして、歌や絵本、おもちゃを使った関わりも楽しむことができます。周囲の人の言葉かけから言葉を習得していく時期でもあります。「コミュニケーション」というと固くなってしまいますが、子どもの興味に言葉で寄り添うように心がけましょう。


0歳児保育で保育士が注意したいこと

うつ伏せ寝をしてしまう赤ちゃん

保護者との連携を密接にとって、安心できる保育を

0歳児の保育で一番難しいのが保護者連携です。初めて預ける親も少なくないため、不安や緊張で保護者と保育士間の意思疎通に時間がかかる場合があります。しかし、0歳児は体調が変化しやすく、感染症などへの抵抗力が弱かったり、食事の形状がどんどん変わっていったり、転倒による傷が増えたりと、突然の変化やトラブルが必発します。
そのため、保護者と密接にコミュニケーションをとることがとても重要なのです。日々の連絡帳はもちろん、入園時に受け取る家庭調査票などの書類や面談の内容もしっかり確認して、家庭の状況や保護者の状況を慮りながら積極的にコミュニケーションをとり、密接な連携を目指しましょう。


月齢差のある場合の保育にとくに注意!環境を整えよう

寝んね、寝返り、ずりばい、ハイハイ、つかまり立ち、つたい歩き、歩き…0歳児クラスの子どもは月齢によって動きが全くと言っていいほど違います。それに応じて興味を持つものも大きく変化していきます。とくに少人数のクラスでは、担任の人数も少ないため、動きの違う子どもが同じ空間にいることが多くなります。パーテーションやベビーベッドで区切ったり、時には違う活動をしたりと、一人ひとりが発育に応じて体を動かしたり遊んだりできる環境を整えることが大切です。


子どもの事故を事前に予測しよう

救急搬送データからみる日常生活の事故

東京消防庁のデータによると、救急搬送される事故では、「落ちる」、「ものがつまるなど」、「ころぶ」、「火傷」と続いていきます。保育園でも同様に、このような事故に注意する必要があります。とくに屋外での活動中は、保育室内よりも予測しにくい危険が多くあります。事前に確認をしてから遊ぶようにしましょう。


※参考 東京消防庁 「平成29年 救急搬送データからみる日常生活の事故

SIDS(乳幼児突然死症候群)を防ぐために

SIDS(乳幼児突然死症候群)とは、予兆も既往歴もないにもかかわらず睡眠中に乳幼児が死にいたる原因不明の病気です。厚生労働省によると、SIDSの危険因子は3つあり、「うつ伏せ寝」、「母乳育児をしていない」、「喫煙」が挙げられています。保育士はこの中でもうつ伏せ寝に留意します。常にあお向けの状態であることを確認し、5分おきの午睡チェックを午睡の見守りも含めて欠かさないようにする必要があります。

また、SIDSは保育預かり初期が最もリスクが高いという研究結果もあり、子ども達のストレスや体調に応じて、午睡時の観察を個別にしっかりと対応する必要があると言えます。チェックの基本としては、体勢(あお向けであるかどうか)のチェック、呼気(息をしているかどうか)チェック、胸の動きのチェック、顔色など様子のチェックなどがあります。

厚生労働省「乳幼児突然死症候群(SIDS)について
チャイルド・リサーチ・ネット「保育預かり初期のストレスとSIDS危険因子の関係について


0歳児担当の保育士のやりがいって?

やりがいを持って働く保育士さん

0歳児担当をする醍醐味のひとつは、何と言っても子どもの「初めて」にたくさん立ち会えること。日中起きている時間に一緒にいる時間が親よりも長い保育士だから、寝返り、ハイハイ、そして歩き始めまで、初めての瞬間に立ち会える可能性がとても高いのです。毎日保育している子どもたちが少しずつできるようになることが増えていくのを目の当たりにしたり、それを保護者と共有して一緒に喜んだりしていくことができるのは、0歳児担当だからこその大きなやりがいです。

また、子どもが保育士に信頼を寄せてくれることがよくわかるのもこの時期です。家族以外の信頼できる人の一人として、ほかの人には人見知りをする時期でも、保育士の前だと笑顔を見せてくれたり、安心して甘えたり……保育士一人当たりの子どもの数も一番少ない年齢(1:3)でもあるので、一人ひとりの成長をしっかりと見守ることができます。

最後に、保護者のサポートがより密接にできること。仕事復帰のタイミングに立ち会うことが多く、保護者にとっても激動の一年を文字通りサポートする時期です。発熱などで連絡をしなければならないことも多々ありますが、その分接点が増え、しっかりとした対応をすることでほかの年齢以上に信頼関係を築くことができます。


親にも子どもにも初めてがたくさん!寄り添う保育を心がけよう

微笑む0歳の赤ちゃん

初めての子育て、初めての保育園生活、初めての職場復帰…子どもも大人も「初めて」がたくさんの1年間です。第二子以降でも、家族はそれまでに一人加わった育児に悪戦苦闘の毎日を送っています。そんな、年度の始めには不安でいっぱいだった家族の気持ちが、少しずつ喜びや嬉しさに変わっていくように、子どもにも大人にも寄り添う保育を心がけて対応するようにしていきましょう。

「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスでは、そんな0歳児保育において、ブランクがあって不安な保育士さんのために、乳児対応を中心にした保育の基本スキルのおさらいができる、無料の「基礎研修」をご用意しています。その他にも、保育のスキルアップに役立つ研修が充実。ぜひ気軽に問い合わせてみてくださいね。

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執筆者 PROFILE
コラムのライター 相原 里紗 Aihara Risa
保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。1歳男児の母。 http://www.noasobicco.com/

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