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コラム

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#日々の保育

作成日 2019/05/31

更新日 2023/04/28

子どもと一緒に夢中になるおすすめ絵本12選【0歳 ~ 3歳】

絵本を読む女の子

読み聞かせは、子どもたちの言葉や情緒の発達を促すとても大切なツールのひとつです。読み聞かせの時間を有意義なものにするためには、子どもの年齢や発達段階にあわせて保育士が適切な絵本を選択する必要があるでしょう。今回は年齢別に、子どもたちが夢中になる絵本の選び方のコツとおすすめの絵本を紹介します。


目次


0歳から1歳までの絵本選びのコツとおすすめ絵本4選

笑顔の1歳児

0歳から1歳までは、子どもたちが初めて絵本と出会う大切な時期です。赤ちゃんたちの興味をひく絵本の選び方とおすすめの絵本を4冊お伝えします。


0歳から1歳までの絵本選びのコツ

家庭環境にもよりますが、0歳から1歳までの赤ちゃんは、まだ絵本になじみがない場合が多いでしょう。この時期でも楽しめるおすすめの絵本を選び、将来子どもたちが読書好きになってくれる足がかりを作りましょう。

はっきりとした色を使った見やすい絵本から始めてみる

生後6か月ごろまでの赤ちゃんの視力は0.1未満、1歳を迎えるころでも、やっと0.2程度であることが多いといわれています。そのため、この時期の子どもたちは、絵が細かく描かれていてもうまく認識できません。一つひとつの絵が大きくシンプルな絵本を選ぶようにすると、成長につれて興味の対象をすこしずつ目で追うようになるでしょう。
また、赤ちゃんがはじめに認識する色は赤だと考えられています。そのためブックスタートには、赤色がたくさん使われた絵本を選ぶのがおすすめです。

同じ言葉が繰り返されている絵本を選ぼう

0歳から1歳までの赤ちゃんはまだ単語の意味を正確に捉えられませんが、言葉のリズムや語感は楽しめます。同じ言葉が繰り返されている絵本なら、聴覚から子どもたちの興味をひきつけられるでしょう。
この時期にじゅうぶんな読み聞かせタイムを確保することは、発語を促すためにもおすすめです。絵本に何度も出てくる単語が子どもたちの初語になることも多いため、言葉づかいが平易で丁寧なものを選びましょう。


【0歳 ~ 1歳まで】おすすめ絵本

まだ幼い赤ちゃんたちは、絵本の内容やストーリーよりも読んでいる保育士の声に興味を持っています。保育士自身が絵本を楽しみ、ゆったりとした大きめの声とほがらかな表情で読んであげるのがおすすめです。

『だるまさんが』
『だるまさんが』表紙
作:かがくいひろし/本体850円+税/出版社:ブロンズ新社

白い背景に赤いだるまさんが並ぶこの絵本は、まだ視覚がじゅうぶんに発達していない赤ちゃんにもおすすめの1冊です。月齢が上がってくると、だるまさんといっしょに体を揺すったり、にこっと笑ってみたりと子どもたちのかわいいしぐさが見られるでしょう。 この本以外にもシリーズで『だるまさんの』『だるまさんと』が出版されていますので、あわせて読んでみるのもいいですね。
『おひさまあはは』
『おひさまあはは』表紙
作・絵:前川かずお/本体800円+税/出版社:こぐま社

この絵本では、「あはは」といういかにも楽しげな笑い声が何度も繰り返されます。子どもたちも保育士も明るい気分で過ごしたいという朝におすすめです。 たとえ意味がわからなくても、読み聞かせている保育士の楽しそうな様子で、ぐずっている子どもたちが泣き止むことはよくあります。0歳児のこの時期から、泣き止ませる手段として絵本を取り入れていくと、今後のクラス運営がスムーズになるはずです。まずは思わずつられて笑ってしまいそうなこの本で試してみましょう。
『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』 
『りんごりんごりんごりんごりんごりんご』表紙
安西水丸 著/本体 850 円+税/主婦の友社刊

「りんご」という言葉が1場面に必ず6回繰り返されるとてもリズミカルな絵本です。赤くはっきりと描かれたりんごの絵はよく目立ちますので、0歳から1歳までの赤ちゃんでも、楽しく目で追っていけます。 最後のページには、りんご以外にもたくさんの果物が登場するので、離乳食期を迎え身近な食べ物に関心を持ちはじめた子どもたちにとてもおすすめです。
『つみき』
『つみき』表紙
ぶん:中川ひろたか/え:平田利之/本体 850 円+税/出版社:金の星社

おすわりができるようになると、つみきやブロックに手をのばそうとする子どもたちが増えはじめます。絵本の世界でもつみきを積んだり崩したりするワクワク感を体験しましょう。 この絵本は通常のものとは異なり、縦長にして読みすすめていきます。いつもとは違うページ展開で、スケールの大きい絵を楽しめるおすすめの1冊です。

1歳から2歳までの絵本選びのコツとおすすめ絵本4選

2歳の女の子

1歳になると、子どもたちは今まで以上に身の回りのさまざまなものに関心を持ちはじめます。子どもたちのすこやかな発育の手助けとなるような絵本選びのコツと、おすすめの絵本を確認しましょう。


1歳から2歳までの絵本選びのコツ

1歳から2歳までは、子どもたちの身体や知能がめざましく発達するときです。この時期を逃さず、たくさんの絵本を読み聞かせてあげるのがおすすめです。

子どもが思わずまねしたくなるような絵本を選ぶ

1歳から2歳ごろになると、子どもたちは歩き始めたり言葉が増えたりすることで、自分たちの世界をどんどんと広げていきます。そのため、0歳児のときのように絵本の読み聞かせをただじっと座って眺めているだけでは物足りなくなってしまうのです。
子どもたちを退屈させないためには、「どうぞ」「ありがとう」といったやりとりや、手を叩く、指差しをするという能動的な行動を自然に導きだす絵本がおすすめです。子どもたちが日常的に使う語彙をたくさん含んだ絵本を選ぶとよいでしょう。

分量の多すぎない絵本なら最後まで飽きずに楽しめる

周りに興味津々な1歳児の集中力は、それほど長続きしないのが普通です。あまり分量の多い本を選ぶと途中で飽きてしまう子どももいるでしょう。場面の展開が早く、ページ数が多すぎないものがおすすめです。
見開きで10から15場面、ページ数が25ページ前後の絵本を選ぶと、子どもたちもストレスなく最後まで楽しんで聞いていられるのではないでしょうか。奥付などに書かれているページ数を参考にするといいでしょう。


【1歳 ~ 2歳まで】おすすめ絵本

1歳から2歳までの子どもたちはじょじょに記憶力も養われてくるため、おすすめの絵本を繰り返し読むことで語彙をたくさん獲得できます。いつも同じ場面で決まった動きをしたり、保育士の読む言葉をまねたりできる絵本を選びましょう。

『たたくと ぽん』
『たたくと ぽん』表紙
寺村輝夫 さく/和歌山静子 え/本体 850 円+税/出版社:あかね書房

この絵本の前半は「ぽん」という音が聞こえてくるたび卵が割れたりひよこが増えたりする楽しい展開で、子どもたちの好奇心をおおいにくすぐります。生まれたてのひよこが活躍する後半は、ちょうど歩き始めたこの時期の子どもたちそっくりで、思わずつられて動き出す子が多いのではないでしょうか。
赤ちゃんでも理解できる簡単な言葉のほかに、「のはら」「やま」「まち」「そら」「つき」など、この時期にすこしずつ増やしていきたいさまざまな語彙も含まれていますから、1歳児にとくにおすすめの1冊です。
『くだもの』
『くだもの』表紙
平山 和子 作/本体900円+税/出版社:福音館書店

1歳を過ぎると子どもたちは離乳がどんどん進み、食べることに大きな興味を持ちはじめます。なかでも果物は子どもたちにとても人気のある食べ物です。この絵本は、そんな大好きな果物をリアルに描きだします。
作中で、果物のまるごとの姿と食べるために切られたりむかれたりした姿を順に見られるのは、子どもたちにとってたいへん新鮮で有意義なことでしょう。さらに食育だけでなく、「さあ、どうぞ」と相手への働きかけが学べるのもおすすめの理由です。
『もこ もこもこ』
『もこ もこもこ』表紙
谷川俊太郎 作 / 元永定正 絵/本体1,300円+税/出版社:文研出版

独特の色づかいとオノマトペが印象的なこの作品は、言葉に関心を持ちはじめた1歳から2歳ごろの子どもたちにぜひとも味わってもらいたいおすすめの絵本です。長年、詩人として活躍する作者の研ぎすまされた感性は、きっと子どもたちの言語能力の発育に素晴らしい影響を与えてくれるはずです。 1場面に書かれた言葉はとても短いものばかりですが、さっとページをめくってしまわず、子どもたちとともに余韻にひたりながら不思議な世界を楽しみましょう。
『のせてのせて』
『のせてのせて』表紙
松谷 みよ子 ぶん/東光寺 啓 え/本体700円 税/出版社:童心社

子どもたちは、自分たちと同じくらいの子どもが主人公であるこの絵本に親近感を抱くでしょう。この時期の子どもたちにおなじみの動物たちが登場するのもおすすめのポイントです。
みんなでトンネルに入るシーンでは、子どもたちのなかに芽生えはじめた冒険心もくすぐられます。奥付にも旅の続きを想像させるかわいい絵が描かれているため、言葉のないページも含めてすみずみまで子どもたちに見せてあげましょう。

2歳から3歳までの絵本選びのコツとおすすめ絵本4選

3歳の男の子

2歳から3歳までの時期は、子どもたちの自我が芽生えるときでもあります。子どもたちの個性を引きだしつつ、他人への思いやりや関心を育てられる絵本選びのコツとおすすめの絵本を紹介します。


2歳から3歳までの絵本選びのコツ

2歳から3歳になると、2語文、3語文を使った会話が増えはじめます。それにつれてすこし難しい読み聞かせの絵本が理解できるようになってくるでしょう。これまでのようにただ単語を繰り返すものだけでなく、メッセージ性のある絵本がおすすめです。 

ストーリー性のある絵本に挑戦してみよう

2歳児になると、各場面の絵や言葉とともに絵本全体のストーリーをしっかりと追えるようになります。読み聞かせには、作者の思いが丁寧に描かれた絵本を選びましょう。
とくにおすすめなのは、子どもたちが「このあとどんなことが起きるのかな」「こんなときどうすればいいのかな」と想像力を働かせながら楽しめる絵本です。感受性豊かなこの時期の子どもたちに、ストーリー展開を追うおもしろさをぜひ知ってもらいましょう。

子どもたちの好奇心をくすぐる絵本がおすすめ

幼いながらも好みや個性が強くなってくるこの時期には、子どもたちの好奇心や探究心をくすぐる絵本がおすすめです。今までのようにただ動物や乗り物、食べ物が登場するだけの絵本ではなく、もっと奥深い説明や描写が含まれたものを読み聞かせるといいでしょう。
毎日の読み聞かせがきっかけとなり、子どもたちが身近な生物や自然などにもっと興味を持つようになれば、就学後の理科や社会の学習につながっていきます。


【2歳 ~ 3歳まで】おすすめ絵本

2歳から3歳までの子どもたちには、ストーリーを追いながら作者が絵本に込めたメッセージに気づいていけるよう丁寧な読み聞かせが大切です。同時に読み聞かせを通じてしっかりと保育士の話を聞く習慣を身につけさせるため、今までより長めの絵本に挑戦することをおすすめします。

『はらぺこあおむし』
『はらぺこあおむし』
作:エリック・カール/訳:もりひさし/本体1200円+税/出版社:偕成社

世界中で愛される絵本作家の名作は、ちょうど2歳から3歳の時期におすすめの1冊です。卵からかえった小さな1匹のあおむしが美しい蝶に成長するストーリーは、「誕生日」や「大きくなる」という概念をすこしずつ認識しはじめた子どもたちにぴったりです。
たった1冊の絵本のなかに、朝と夜、数、曜日、幼虫・さなぎ・成虫という変化など、子どもたちがこれから学んでいくたくさんの概念が詰めこまれています。吸収力のあるこの時期の子どもたちに、ぜひ何度も繰り返し読み聞かせてあげましょう。
『おべんとうばこのうた』 
『おべんとうばこのうた』表紙
構成・絵:さいとうしのぶ/本体900円+税/出版社:ひさかたチャイルド

有名な手遊び歌を題材にしたキャラクターがとても愛らしいおすすめの絵本です。この歌詞に出てくるお弁当のおかずは、最近の子どもたちがあまり食べなくなったきざみしょうがやふきなど、和の具材がほとんどです。言葉だけではなかなかイメージがわきにくい食材も、絵本ならしっかりと子どもたちに伝わります。
2歳を過ぎた子どもたちは、すこしずつ絵本の細かい部分にも注目しはじめます。子どもたちはそれぞれのキャラクターのほほえましい動きをぞんぶんに楽しんでくれることでしょう。
『せんろはつづく』
『せんろはつづく』表紙
竹下文子 文/鈴木まもる 絵/本体1,200円 税/出版社:金の星社

「どうする?」とみんなで知恵を出しあって線路をつなげていくストーリーは、友達の存在をすこしずつ意識しはじめる2歳から3歳までの子どもたちにとてもおすすめです。大人に教えてもらうのではなく、子どもたちが自分たちで協力しあって答えを導きだしていくその姿は、自己主張が強まるこの時期の子どもたちの好奇心をおおいにくすぐるはずです。
最後に目的を達成するハッピーエンドも子どもたちに人気のポイントです。画中の子どもの笑顔につられて、子どもたちも読み聞かせる保育士も思わず笑顔になってしまいます。
『はけたよはけたよ』
『はけたよはけたよ』表紙
文:神沢利子/絵:西巻茅子/本体1,00円 税/出版社:偕成社

この絵本の主人公は、はじめはパンツをじょうずにはけません。多くの子どもたちが本格的なトイレトレーニングをする2歳から3歳のこの時期、子どもたちにとってパンツはとても身近だけれどすこし憧れの存在です。一人でトイレを済ませ自分でパンツとズボンをはけることは、子どもたちにとってたいへん誇らしいことなのです。
子どもたちはこの本の読み聞かせを通じて主人公に自分自身を重ね、悔しさや恥ずかしさ、そして最後に成功する喜びを知ります。このような感情を学びながら子どもたちはイヤイヤ期をこえ、トイレトレーニングを成功させ、赤ちゃんから幼児へとステージを変えていくのです。子どもたちの「パンツ生活」を応援するために、発達途上のこの時期にぜひとも読み聞かせたいおすすめの絵本です。

絵本を読み聞かせるためのコツは?

保育士が読み聞かせをする様子

絵本の読み聞かせには保育士ならではのコツがあります。いくらおすすめの絵本を選んでいても、読み聞かせの方法が正しくなければ、効果は半減してしまうのです。読み聞かせの時間を有意義なものにするため、この機会にしっかりとおさらいしておきましょう。


保育士が心にゆとりを持つことが大切

保育士自身に絵本を楽しむ余裕がないと、どんな良書でもつまらなくなってしまいます。まずは自分が絵本の世界を満喫しようという気持ちで読み聞かせることが重要です。
時間がないときに読むと、保育士がつい早口になり子どもたちは聞きとりづらくなるためおすすめできません。乳幼児の時期は、なにより読み聞かせを好きになってもらうことが最優先です。子どもと保育士の双方が義務や強制と感じることなく、楽しい気持ちで読み聞かせできるタイミングを見計らいましょう。保育士が一方的に読むのではなく、子どもたちの反応を確認するぐらいの余裕がもてるとなおよいですね。


読み聞かせの環境を整えよう

読み聞かせている保育士の声より周囲の騒音のほうが大きかったら、子どもたちが集中できないのは当然です。子どもたちが絵本を楽しめる環境を整え、一番うしろにいる子どもにもしっかりと聞こえる明瞭な声で読み聞かせることをおすすめします。
絵本の持ち方によっては、保育士の手が邪魔になっていたり光の反射で絵が見にくかったりする場合があります。子どもたちがストレスなく絵本の世界に入れるよう、細かいところまでしっかりと配慮しましょう。

これ以外にも、下記のページでは読み聞かせのコツを年齢別に紹介しています。
子どもに絵本を読み聞かせる効果とは?習慣化、年別のコツは?

ぜひとも確認して、子どもたちと充実した読み聞かせの時間を過ごしましょう。


子どもと保育士の両方が笑顔になれる読み聞かせタイムを目指して


保育士の絵本の読み聞かせで笑顔になる子ども

このように子どもたちは、発達段階に適した絵本から日常生活に必要なさまざまな知識や能力を身につけます。もし子どもたちがなかなか読み聞かせに集中してくれない場合は、選んだ絵本が本当に子どもたちの年齢にあっているのかを再確認することが大切です。
読み聞かせという楽しい時間を共有しながら、保育士と子どもたちの結びつきはよりいっそう確かなものになります。今回紹介したおすすめの絵本を参考に、年齢や発達段階にぴったりとあった絵本を選び、子どもたちと保育士の双方がいつのまにか笑顔になれる素敵な読み聞かせタイムを実現しましょう。

「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスでは、保育士向けに保育の現場で役立つ無料の研修を随時行なっています。適切な保育のための知識や、子どもたちを喜ばせるレパートリーを増やしていただくためのサポートをさせていただければと思いますので、ぜひご参加ください。

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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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