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#保育施設について

作成日 2017/02/01

更新日 2023/08/17

「認定こども園」って、なに?保育園や幼稚園との違いを徹底検証!

求人でも最近よく見かけるようになった「認定こども園」、気になっている人も多いと思います。
認定こども園はさまざまな保育・子育てニーズに対応するため、2006年から政府主導でスタート。

2011年に762園あった認定こども園は、2019年4月1日現在では7,208園と、その数は増加の一途を辿っています。※

勤務先として検討されている方もいる中で、「幼稚園や保育園との仕事内容違いは?」「必要資格は幼稚園教諭?保育士資格?それとも両方?」など疑問に感じることも多いのではないでしょうか。

「認定こども園」について、その概要から仕事内容・勤務条件などくわしく見ていきましょう。

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目次

「認定こども園」とは?保育園や幼稚園との違い

認定こども園とはどのような施設なのでしょうか。その概要、幼稚園や保育園と違いなどを見ていきましょう。


認定こども園ってどんなところ?その特徴は?

認定こども園は教育・保育を一貫して行ない、いわば「幼稚園と保育園の良いとこどり」をした施設です。

保護者の勤務状況に関わらず施設の利用が可能で、適切な集団規模で子どもの社会性をはぐくむことや、既存の幼稚園の活用により保育園の待機児童の解消・育児不安の大きい専業主婦家庭への支援を行なうことなどを目的しています。
具体的には下記の機能を有することが求められているのです。

・就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能
・地域における子育て支援を行なう機能※

対象は「すべての子育て家庭」であり、両親の勤労条件などは入園に関係ない点が、従来の保育園と大きく異なります。
そのほか、認定こども園・幼稚園・保育園の主な違いについて比較してみましょう。

認定こども園

幼稚園

保育園

根拠法令

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律

学校教育法に基づく学校

児童福祉法に基づく児童福祉施設

管轄

厚生労働省・文部科学省

文部科学省

厚生労働省

対象

すべての子育て家庭
※0歳〜

満3歳から小学校就学の開始期に達するまでの幼児

保育に欠ける乳児・幼児・児童
※0歳〜

教育・保育内容の基準

保育所保育指針に基づく保育と 幼稚園教育要領に基づく教育

幼稚園教育要領に基づく

保育所保育指針に基づく

入所(園)の申込

原則として、設置者と保護者との直接契約
※保育所型および幼保連携型の認定こども園については、保育に欠ける子の認定について、当該保育所から市町村を経由する

直接、入園を希望する幼稚園に申し込む
※希望者が定員を上回る場合等 は抽選等の方法をとる場合もある

基本は市町村
※最近で保護者が直接、入園を希望する保 育園に申し込みが可能なところもある

1日の教育・保育時間

4時間〜11時間

4時間(標準)
※預かり保育などで預かり時間が保育所と変わらないところも多い

8時間(原則)
※夜間保育を実施する保育園もある

認定こども園には4つのタイプがある

「認定こども園」は、その地域の実情やニーズなどによって、次の4種類のタイプに分かれています。

※4種類の呼び方については、その自治体により異なる場合があります。


(1)幼保連携型

認定こども園として独立しており、「新設」「幼稚園や保育園などが認定こども園として全面的にリニューアル」のふたつのケースがあります。
幼稚園・保育園、両方の機能を兼ね備えており、「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」を踏まえた教育・保育が行なわれます。


(2)幼稚園型

既存の認可幼稚園に、保育園的な機能がプラスされたもの。
保育園の機能がプラスされても基本的には幼稚園として位置付けられ、「幼稚園教育要領」に基づいた教育が行なわれます。


(3)保育園型


既存の保育園に、幼稚園的なの機能がプラスされたもの。
幼稚園的な機能がプラスされても基本的には保育園として位置付けられ、「保育所保育指針」に基づいた保育が行なわれます。


(4)地方裁量型


地域の実情やニーズに応じて、教育・保育施設が認定こども園と同様に運営されているタイプ。
各自治体の条例に基づき「認可外施設」として運営されます。
認可はありませんが、実施されている教育・保育内容は通常の「認定こども園」と同様です。

2018年4月現在の認定こども園のうち、それぞれ幼保連携型は3,618園、幼稚園型は807園、保育所型592園 地方裁量型64園となっています。
保育所型は待機児童もいる中で、なかなか認定こども園への転換が進みにくい事情もあります。

認定こども園の認定基準は?

認定こども園は、各自治体が定めた条例に基づき自治体から認定を受けています。
その条例は内閣総理大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣が定めた基準に従い、地域の実情やニーズと比較し、参考にしたうえで制定されています。

主な認定基準は次のとおりです。

幼保連携型

そのほかの認定こども園

職員資格

幼稚園教諭の免許状と保育士資格を併せ持つ「保育教諭」を配置

※ただし2025年3月までは一定の経過措置あり

・満3歳以上
幼稚園教諭と保育士資格の両方を併せ持つことが望ましい

・満3歳未満
保育士資格

学級編成

満3歳以上の教育時間相当利用時および教育および保育時間相当利用時の共通の4時間程度については学級を編制

教育・保育の内容

・幼保携型認定こども園教育・保育要領を踏まえて教育・保育を実施すること

・幼稚園型は幼稚園教育要領を踏まえて教育・保育を実施すること

・保育所型は保育所保育指針を踏まえて教育・保育を実施すること

・小学校との円滑な連携

・認定こども園としてとくに配慮すべき事項を考慮




「認定こども園」の仕組みとは?保育園や幼稚園との違い

すべての子育て家庭を対象とし、園との直接契約となる認定こども園。
入園や申し込み方法によって、保護者との関わりも異なってきます。
入園可否や保育料はどうやって決まるのでしょうか?

入園者は審査や認定が必要?

認定こども園への入園においては、子どもの年齢や保護者の勤務状況などによってそれぞれ認定を受ける必要があります。
細部は自治体によって異なる場合もありますが、基本的には下記の認定に区分されます。

保護者の就労

対象年齢

対象施設

申し込み方法

・認定者

入園選考方法

1号認定

なし

満3歳以上

認定こども園
幼稚園

認定こども園へ直接申し込み、認定者は施設が認定

抽選や先着順など、あらかじめ保護者に選考基準を示し、公正な方法で園が選考

2号認定

あり

満3歳以上

認定こども園
保育園

自治体

各家庭の状況を勘案して自治体が選考

3号認定

あり

満3歳未満

認定こども園
保育園
地域型保育

1号認定

2号認定

3号認定

保護者の就労

なし

あり

あり

対象年齢

満3歳以上

満3歳以上

満3歳未満

対象施設

認定こども園・幼稚園

認定こども園・保育園

認定こども園
保育園
地域型保育

申込方法・認定者

認定こども園へ直接申し込み、認定者は施設が認定

自治体

自治体

入園選考方法

抽選や先着順など、あらかじめ保護者に選考基準を示し、公正な方法で園が選考

各家庭の状況を勘案して自治体が選考

各家庭の状況を勘案して自治体が選考

認定こども園の保育料は国の基準で決まる

認定こども園の保育料は、各家庭の所得に応じて決まります。
つまり現在の認可保育園と同じ仕組みで、所得に応じて0円~国が定めた上限までの幅で、各自治体によって決定されます。

保育園へ通っていた家庭ではあまり違いはありませんが、通っていた幼稚園が認定こども園へ転換するような場合は注意が必要です。
これまで一律で決まっていた幼稚園費用が所得に準ずるものになるため、保護者が負担する費用に差が発生する可能性があります。
このようなケースでは、保護者の負担費用に大きな差が出ない配慮をするように、国から自治体へ指導されています。

保護者への補助金や園で独自に回収するお金はある?</h3 >

保育園同様、民間企業によって運営されている認定こども園でも補助金はあらかじめ施設へ給付されており、保護者への補助金という形では支給されないのが基本です。
そのため私立幼稚園への通園で支給されていた「幼稚園就園奨励費補助」の対象とはなりません。

また定められた保育料以外に遠足のバス代など実費分の別途集金や、外国語など基準よりも手厚い教育体制を整えるために必要な経費を特別徴収することが認められており、施設ごとに追加費用が発生する場合があります。


認定こども園の仕事内容は?保育園や幼稚園とどう違う?

それでは働く立場でみた場合、認定こども園での仕事内容は幼稚園や保育園と違いがあるのでしょうか?
具体的な仕事内容や必要資格などについてみていきましょう。

保護者への補助金や園で独自に回収するお金はある?

認定こども園で働くためには、原則として「保育士資格」と「幼稚園教諭免許」の両方の資格が必要です。

とくに「幼保連携型」の認定こども園では両方の資格が必須で、それ以外の「幼稚園型・保育所側・地方裁量型」では0〜2歳児を担当する場合は「保育士資格」、満3歳以上を担当する場合は「保育士資格」「幼稚園教諭免許」両方の資格を持つことが望ましいとされています。

このように幼保連動型以外の認定こども園では、担当する年齢によって必要資格が異なります。

また両方の資格が必要ではありますが、幼稚園や保育園の認定こども園への移行にあたり、2025年3月末までは「経過措置期間」としていずれか一方の資格だけでもOKです。
そのため、応募時にいずれかひとつの資格しかなくても問題はありません。

またこの経過措置期間中、どちらか一方の資格所有者を対象に、特例としてもうひとつの資格を取得しやすくする制度が設けられています。

保育士資格または幼稚園教諭免許の所持に加え、3年間の実務経験(勤務時間が4,320時間以上の場合に限る)があれば、大学で指定の8単位を取得することで、保育士資格所有者は幼稚園教諭免許を、幼稚園教諭免許所有者は保育士資格を取得することができます。

保育園や幼稚園との仕事内容の違い

園によっても違いはありますが、一般的に保育園では保育の観点から「子どもの情緒・生活面」を、幼稚園では教育の観点から「スキルや生活指導的な面」を中心に指導が行なわれています。

認定こども園では機能としてその両方が求められていますが、今や年中・年長の園児に小学校入学を見据えた教育をしている保育園も多いので、現在保育園で働いている方はそれほど大きな違いを感じないかもしれません。
一方幼稚園で働いている方には0〜2歳のお子さんや夕方以降の保育など、幼児教育以外の仕事内容が増えることになります。

いずれの場合も、最初から完璧にこなす必要はありません。
今は以降措置がとられている期間でもありますので、日々の実務で学んでポイントを抑えつつ自分ができることを最大限やっていきましょう。


認定こども園の勤務条件が気になる!給料や休日は?

保育園機能もある認定こども園。
勤務時間や休日休暇・給与など勤務先として見逃せない条件面について、幼稚園や保育園と比較してどうなのでしょうか。

認定こども園の給料は保育園・幼稚園とほぼ同じ

下記は内閣府の調査に基づいた、それぞれ役職がついていない一般的な保育士・幼稚園教諭の平均給与です。

公立

私立

保育士

286,911円

263,513円

幼稚園教諭

326,034円

221,829円

認定こども園の保育教諭

290,770円

228,063円

平成28年 内閣府「保育所・幼稚園・認定こども園等に係る実態調査等の中間集計の状況について」

この表からもわかる通り保育園・幼稚園・認定こども園の間で、多少公立か私立か、また園によって差はあるものの施設の運営形態自体で給与面に大きな差があるわけではありません。
ここでひとつポイントとなるのは、現状「保育士」「幼稚園教諭」のふたつの資格を有していても、給与にその分が上乗せされるわけではない、ということです。

世間一般には保育士の待遇改善が叫ばれていますが、幼稚園教諭や認定こども園の保育教諭などではそのような話は現在ありません。
ただし、認定こども園は現在措置期間内であり、条件などはこれから整えられていくことが予想されます。

勤務時間は1日8時間・シフト制がメイン

認定こども園は早朝保育や延長保育があるため、1日8時間勤務を基本としています。
7:00 ~ 20:00の時間帯の中で早番・中番・遅番というようなシフト制を採用するところが多くなっているようです。
勤務時間帯は保育園に近いイメージと言えます。

休日は週休2日が基本、土曜日勤務や長期休暇は園による

認定こども園での勤務は基本的に週休2日であることが多いようです。
ただし、土曜日に開園している園が多く、運動会や夏祭りなどの園行事が土日に設定される場合が多いので、毎週ではなくても土曜日に勤務をする可能性があります。
また、幼稚園とは異なり子どもの夏休みや冬休みなどの長期休暇はありませんが、働く人が長期休暇を取得できないというわけではありません。
長期休暇を取得しやすい体制を整えているかどうかは各園によりますので、応募する際はそのあたりも確認するとよいでしょう。


認定こども園で働きたい!求人はどうやって探す?転職先選びのポイントも


保育園と幼稚園のいいとこ取りをした認定こども園は、これからの新しい保育と幼児教育の場です。
「認定こども園で働きたい」「転職したい」と思ったら、まずは専門サイトへ登録を行ったり、検索をしたりしてみましょう。
登録制の転職サイトの中には仕事を探している人と認定こども園とをマッチングし、紹介してくれるサービスもありますよ。

転職先選びは自分の優先条件をしっかり固めて!

保育士・幼稚園教諭に限ったことではありませんが、仕事を選ぶときには給料・勤務地・仕事内容など、どの部分を仕事選びの軸とするのか自分の優先条件をしっかり固めておきましょう。
「家が近いから」「給料が良いから」という外的条件だけで転職先を選んでしまうと、大切なポイントを見逃してしまうかもしれません。

転職サイト&エージェントを活用しよう

転職を考えたら、保育士・幼稚園教諭の方の専門求人サイトや転職エージェントサービスに登録し、活用することも転職を成功させる方法の一つです。

エージェントは英語で「代理人」を意味しますが、転職エージェントはその名の通りあなたの「転職活動の代理人」。
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保育の分野で転職をご検討の際は、ぜひテンダーラビングケアサービスのわたしの保育をご利用ください。


大きなやりがい!幅広い業務でキャリアの幅が広がる認定こども園で働こう


幼稚園と保育園の両方を有し、幅広い家庭の子ども達を対象とする認定こども園。
社会的なニーズを考えると保育園と同様、認定こども園の数も今後増加していくことが予測され、求人数も増えていくでしょう。

また求人が増えるだけでなく、自分の勤務している幼稚園や保育園が今後認定こども園に移行する可能性もあります。
保育と教育の場を提供する認定こども園での仕事は、幼稚園もしくは保育園と比較するとかかわる業務の幅は広くなります。
幅広い業務にかかわることはたいへんではありますが、その後のキャリア形成の幅を広げられるチャンスでもあり、やりがいを感じられることでしょう。
自分が成長できる認定こども園での勤務を、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。



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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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